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来年4月の消費税増税に反対すべき理由「ケインズ的分析」

現政権は、2014年4月の消費税増税(5%から8%)について、今年の10月頃判断する、と伝えられています。
多くの人が、もうこの決定は変えられないだろう、と悲観的な見方をしています。
しかし、ギリギリまで反論をとなえていく必要があるでしょう。

どうしてこのタイミングでの消費税増税が最悪になるのか、内閣官房参与の浜田宏一さんのつぶやきをきっかけに、田中秀臣さんがブログエントリを書かれました。

[経済]浜田宏一先生の消費税問題についてのつぶやき

これを人にうまく説明できるように、もう少し自分のことばでかみくだいてみました。

◆◆◆

日本は不完全雇用状態にあります。働きたいのに職が見つからない人が、まだまだ多いのです。日本の状況で完全雇用というには、少なくとも失業率が3%台前半にならないと、そうとは言えません。アメリカの7%台と単純に比べては、状況を正しく把握できません。

浜田先生「不完全雇用の元ではケインズ的な分析が有効でしょう。」
田中先生「ケインズ的な分析によれば、増税は有効需要を減少させ、不完全雇用を増加させてしまいます。」



「ケインズ的な分析」とはどういうことでしょうか。

「有効需要を減少させ、不完全雇用を増加させ」る。

この文章は何を言っているのでしょうか。

これは、人々が「先行きどうもお金のことが不安だから使わないでおこう」と考えている状態のことを説明しています。
この状態では、企業も投資を控えます。新規雇用もしないばかりか、生産を控え、コストカットを断行して、解雇すら行われるようになります。
こうなると世の中に十分に雇用が生まれなくなります。
そして企業は内部留保を貯め込むようになります。

(ところで、需要というのは最終消費者が物を買うことだけではなく、企業が設備投資することも含まれます。)

このネガティブスパイラルを転換する、最初のきっかけは、何かあるでしょうか?

二つのきっかけが考えられています。
(1)デフレであってもお金を使うよう、人々のマインドが変わるまで待つ
(2)国策によるインフレターゲットの設定

●世代変わるまで待つ?

たとえデフレでも人々がお金を使うような風潮になり、放っておいても金持ちが消費し、企業が投資するようになる。そもそもこれは非現実的ですが、もし実現するとしても、世代が変わるまで待たなければいけないかも知れません。

ここで、「金を使わない金持ち」「設備投資しない企業」だけを責めていても始まりません。経済成長を厭う人々も、デフレの継続に加担しています。

たとえば正社員で、そこそこ給料がもらえている人が「人間は贅沢してはいかん。経済成長などもう不要」と信じていたら、その人は一生考えを変えない可能性が高い。

何しろその人は、社会が経済成長しなくても何とか食っていけて、年金もそれなりにもらえるのですから。経済成長がないと職さえ得られない人のことについては「格差がいかん」とだけ言って、どうしたら具体的にそれを変えられるかも考えないで済ませてしまうのです。

もしくは、まったく非現実的な方法しか提案しない。非現実的だから実現しないのに、「世の中がわるい」としか考えない。こういう人は一生このままで、ネガティブマインドを変えることはないと思われます。

…ちょっと言い過ぎました。

サヨク頑固オヤジオバサンへのdisはともかく、一般的に人は、生活態度や価値観を変えることは極めて難しい。世代が変わるまで待たなければいけないというのはそういう意味です。

●人々の期待を変える

ネガティブスパイラルを転換するにはもう一つの方法があります。

国策として、インフレターゲットを設定することです。国が責任を持って、インフレ率を少しプラスに保つのです。国としてインフレ率が一定に保たれるように責任を持つと言明することは、人々のマインドを一気に変える効果があります。

先行き経済が良くなりそうだ、という予測によって、需要が増加します。

需要というのは最終消費者がモノを買うということだけでなく、企業の設備投資も含まれるので、設備投資が増えれば需要が増えることになります。

こういう風に、「予測が需要を増やしたり減らしたりする」ことを前提にした上で、これまでの日本の20年間のような状況を「需要(人々が物を買ったり、企業が設備投資する)が不足しているので景気が悪い」と分析すること、それが「ケインズ的分析」と呼ばれています。

こういう状態のときに増税すると、「増税で使えるお金が減るから、もっと節約しなければいけない」となって、人々が物を買わなくなる。つまり有効需要不足が一層厳しくなる。需要がないから、企業は投資をしなくなり、生産を絞るから雇用も減ってしまう。

永遠に増税するなと言っているわけではないのです。景気が十分に良くなった上で、その事実を確認してから増税するのは、話が別です。

5%から8%への消費税増税が予定されている2014年4月は、20年間も不況が続いてきたところに、ようやく人々の予測を変える政策が出て、ほんの1年3カ月です。

そんな短期間で、20年間のデフレスパイラルの脱却を判定できるものでしょうか?

わたしは大変不安です。

また就職先が減るでしょう。

わたしは来年3月までの有期雇用なので、その頃、もし雇用が減っていたら、と考えるとぞっとします。

別にそれでもいいというあなたは、正社員なんでしょうか?

どうか、世の中にあふれている失業者が、まずは働けるように、雇用が世の中に増えて、定着するように考えてください。

そして、あなたの知らないところにいる、ギリギリの暮らしをしている人々が、少しは良い食べ物を料理する余裕を持ったり、娯楽を楽しみ、暮らしを良くすることができるように、そして税金をおさめ、それが、ギリギリですら暮らせない人への支援に回るように、もっとも現実的な方策を理解し、どのような政権であってもその政策(リフレ政策)を実行していけるよう、考えていきましょう。


70年代の亡霊

ちょっと前のことだが、6月1日に、左派思想に詳しくかつリフレ派の松尾匡さんが、朝日カルチャーセンターで『「右」と「左」を問い直す-これからの本当の対決軸とは』と題して講演すると知り、受講料がちょっとお高くて迷っていたものの、直前に決心して思い切って出かけた。
その講演にはとても感銘を受けて、それ以降、いつも頭の片隅に引っかかっている。

まとめたものはこちら。「右」と「左」を問い直す - これからの本当の対決軸とは

今日、ねずみ王様が小沢一郎についていくつかツイートしているのに興味を惹かれた。

yeuxqui 7:38pm via TweetDeck
わたしはメディア周辺の人びとの小沢一郎への憎悪をうまく理解できないでいた。一時は、アメリカに楯突いたからだと考えてもみたが、いまひとつ納得できないものがあった。彼は要するに裏切り者だったのだ。
http://twitter.com/yeuxqui/status/356724798845501440

おそらくメディア周辺の人びとにとってもっとも大切な故郷を破壊しようとしたのだろう。かつて蓮實重彦が、改革と連呼する人間がやっているのは、何も変えないために変えることだと述べたことがあるが、おそらく彼が破壊しようとしたのは、変えたくなかった何かだったのだろう。

そう考えるとあの理屈を越えた成分の幾ばくかは理解できるような気もする。

小沢一郎という政治家にたいして、それほどの興味はなかった。興味を持ちだしたのは最近だ。それはメディア周辺(あるいは「東京」と一致するような気もする)からあれほどの憎悪をぶつけられるようになったのかがまるで分からなかったからだ。性格的に難のある権力など掃いて捨てるほど存在したはずだ


王様のつぶやきは一面を捉えていると思う。

だけど、改めて小沢氏について考えると、わたしの頭に浮かんでくるのは松尾さんの講演の内容だった。

松尾さんによれば、ハイエクやフリードマンらは、70年代までに行き詰った国家主導体制を批判して、こういうことを考え付いた。

ハイエクの考えた国家の役割
(1)国家は民法などの取引ルールを整備する(労働保護基準も含む)
(2)否定したのは政治家や官僚の胸三寸の判断。→民間人が予想可能なルールへ。
(3)リスクのあることは民間の現場の判断と責任⇔公共は民間人の不確実性を減らす役目=民間人の予想の確定。

フリードマンの考えた国家の役割
(1)ダメなのは政策当局者の胸三寸に任された政策(成長分野の支援策などは典型)
(2)提唱したのは、民間人の予想を確定するルール ← ハイエクの主張と同じ

そしてもう一つ思い出すのが、Open Government Participationの動画と、最後に現れる「Transparency+Participation=Accountability」というテロップ。

この動画でイメージされているものは、おそらく我々が向かっているところで、その流れを止めようとしても止まらないものだと思う。資本主義や市場経済がとうとう止まらなかったように。

小沢氏が嫌われたのは、この「70年代的国家主導体制から脱却し、透明性が確保された政府/国家へ」という流れと関係しているのではないだろうか。

小沢氏は密室談合的なものをいまだに体現した政治家なんではないかと思う。それは、氏が福一事故後ずいぶん経ってから、脱原発への態度表明をしたタイミングを見て、うっすらと感じていたのだが、その時はそれよりもむしろ、「最も効果的なタイミングを見ていたのだ、さすが小沢だ」と思っていた。

その後リフレ政策に注目するようになってから、小沢や鳩山が実は日銀法改正を考えていたりとか、マクロ経済を理解しているような言動をしたことがあると聞き、小沢はなぜリフレを打ち出さないのだろう、と不思議に思っていた。

その時ふと、かつて福一事故の1年後ぐらいだったか、年末に小沢氏が支持者との座談会で、核廃棄物処理の不可能性に言及したと聞いて、なぜ彼ははっきりと脱原発を打ち出さないのだろう、と不思議がったことを思い出した。

参院選挙直前の今、生活の党は政策に金融緩和をうたっているのに、小沢は「円安は庶民の敵だ」と演説する。彼にとっては安倍をまず倒すことが必要で、その間、政策については人々に誤解させたままにしていても構わないのだ、としか思えない。

マスコミも、彼を嫌う人も、そういった彼の曖昧さや、得体の知れなさが嫌いなのではないかと思う。言って見れば彼は、70年代的な最後の政治家なんじゃないだろうか。

これから、「透明性」はますます求められるだろう。ある意味、安倍や橋下などの「わかりやすさ」は、「透明性」への追及から起こる副作用のようなものなのかも知れない。


【読書感想文】稲葉振一郎『経済学という教養』

稲葉振一郎さんの『経済学という教養』は示唆に富んだ本で、あちこち興味深いけれど、序盤で特に面白いところは、古典的ミクロ経済学→実物的ケインジアン→貨幣的ケインジアンと経済学が(経済学者が?)進化(変化?)していく場面。

実物的ケインジアンから貨幣的ケインジアンの説明に移る時に、「不確実性」というパラメーターが加わるのだけど、そのとたんに「そりゃそうだよな!」とひざを打つような、「天啓がひらめいた」みたいな(大げさ)、そんな気分になる。

だが、これに対して別の考え方もあるだろう。そもそも「流動性選好」とはいったい何なのか、人々が積極的に貨幣そのもの、具体的モノ・サービスではなく抽象的な購買力、「流動性」そのものを欲する理由とは何なのか?この問いに対する一つの有力な回答は、「不確実性から身を守るため」である。

不況下で、みんなが一所懸命節約して、おカネを貯めているのはなぜか?失業の不安や老後の不安があるからだ。もしものときに備えておくだめだ。


だからこの不安を減じれば、みんなお金を消費したり、将来の投資に回すようになるはず。

不安を減じるには、職が将来にわたってなくならないこと、もしくは生活が保障されることが重要で、社会に十分な雇用をつくり出し、社会保障を充実させるためには、お金の量が増えていくという実感(=期待)が存在することが重要だという話につながっていくんだと思う(つまり、リフレーション政策)。

この序盤でまず語られているのは社会全体で経済が不調におちいっているときに、「個人の努力」「個々のブレイクスルーによるイノベーション」「個別の制度改革」で成し得ることには限界があるどころか、合成の誤謬によって、全体としてはまったくネガティブなインパクトしかもたらさないということ。

古典的なミクロ経済学や実物的ケインジアンは、人間が合理的で、皆が努力すれば市場は自然に均衡し、人は努力の分だけ報われると夢想している。でも実際にはそうではなく、人は不合理なものだ。もうちょっと正確にいうと、人はその人の分かり得る範囲で合理的なんだけど、結果的に不合理になったり、他人との不整合が起きてしまう。その齟齬は、個人の努力などでは決して完全に埋めることはできない。そういう見方の方が、現実に即しているとわたしは思う。

(ニュー・ケインジアンI・IIは)現実の人間や企業がそこまで賢くないことは、彼らは承知しているからだ。しかし彼らの頭の片隅には、現実の人間や企業はそこに決して到達できないが、しかし理論的には確かに存在する完璧な合理性という理想がなお巣くっている。
だがニューケインジアンIIIの眼から見れば、事態は相当に違ってくる。彼らは理論的にさえ完全な合理性というものを想定しない。逆に言えば、人はすべてほどほどに非合理的、つまりは、ほどほどに合理的である。目先の株価・地価の動向に一喜一憂して、短期的なキャピタル・ゲインを求めて右往左往、という振舞いも、不確実な世の中に放り出された無知なる者としては十分に合理的な行動だし、それ以上のことを期待することはそもそもできない、というわけだ。


<おまけ>触発されて描いてみたポンチ絵(経済学素人で、まだよくわかってないのでかなり適当です。リバイス予定)

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経済学という教養 (ちくま文庫)経済学という教養 (ちくま文庫)
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生活の党 中村てつじ氏による『財務省の罠』講演まとめ

目次






講演用パワーポイント資料はこちら
2013年04月12日プレゼン『財務省の罠』最終版.pdf

音声ファイルはこちら
2013年4月12日『財務省の罠』講演.MP3



日本はデフォルトしない


日本はデフォルト(債務不履行)になりません。国債が返せない、ということになりません。自国通貨が発行できる国で、国債が暴落した場合、つまり、金利が上昇した場合、中央銀行が国債を買い入れることができる。すると国債の需要が増える。需要が増えれば価格が上がる。金利が下がる。

ギリシアの場合、ギリシアの国債を売ってユーロにすると、それでドイツの国債が買えてしまう。すると、ギリシアの国債の金利が上がり、価値は下がる。ドイツの国債の金利は下がって価値は上がる。だからギリシアが破綻する可能性が出てくる。

心配性の人「財政の信用がなければ国債は売られる、すると金利が上がる」
→国債を売って得た通貨で何を買かを考えてみる。景気が良ければ、不動産、株社債などが買われる。景気が悪かったら、これらを買っても将来の価格上昇が見込めないので、通貨のままで持っていたいのでむしろ国債を持つ。

通貨の形にもっとも近くて金利がつくものは国債。つまり景気が悪かったら国債が買われる。国債の金利は経済状況を反映するに過ぎない。

心配性の人「いや、国債を売って得た金でドルを買って海外投資すればどうなる?資本が対外的に逃げていくよ」
→円を売ってドルを買う人がいたら、ドルを売って円を買った人もいる、ということである。円を買ったら、円で買えるものを買う。通貨に金利はつかないので、国債を買う可能性が高い。

結局、景気が良くなって、他の金融商品が選ばれる状況にならない限り、国債の金利は上がらない。国債だけが単独でただ暴落するような状況はないということ。経済状況に連動して金利が変わるのが、自国通貨建ての国債。

心配性の人「でも日本はGDPの2倍も国の借金がありますよ!」→デフォルトする国はどんな国か。「国」とは、実は「政府」ではない。国の借金が1千兆円、というとき、この時の「国」は「政府」のことを言っている。「国の経済主体」は4つ。政府、金融機関、(非営利を含む)企業等、家計。

他の国に借金があれば、取り立てに合うということはある。しかし日本は、対外純資産は21年連続世界一。つまり、世界中に金を貸している。金を貸している方が借りている方から取り立てに合うことはない。政府の債務額そのものと、償還能力とは関係がない。(償還能力があれば問題がない。)

破綻している国とはどういう国か?外国通貨建てで国債を発行している国。自国の通貨で国債を買ってもらえないような国。日露戦争の時、日本が勝った原因の一つが、他国から金を借りて戦費を調達できたことがあるが、この頃は円が弱かったから、ドルやポンド建てで国債を発行した。

自国通貨が弱い国とは何かというと、対外純負債国である。他の国から金を借りている国。借りている金を引き上げられてしまうと、自国通貨が簡単に弱くなってしまう。他の国の人たちは怖がって買わなくなるので、他国通貨で発行せざるを得なくなる。

破綻の可能性がある国は、経常収支が赤字の国。貿易収支、経常収支が赤字。他国から金を貸してもらってようやく貿易収支の赤字をファイナンスできるような国。日本はまったく逆で、毎年膨大な経常収支の黒字がある。

最近赤字になっているが、エネルギー要因がある。それでも経常収支は黒字。所得収支で、過去の黒字のリターン(配当)が毎月1兆円、毎年12兆円ぐらい。貿易収支の多少の赤字は相殺される。そういう国である。

イギリスとアメリカは、例外的で、他国から金を借りている、つまり経常収支は赤字の国。貿易も赤字。しかし国債を自国通貨で発行できている。なぜなら経済的に強いから。金融立国で、他国からたくさん投資してもらって、その金を他国に投資して配当を得ている。

他国から金を借りて投資をすることで、所得収支が出て、国の収支はプラスになる。

そういう国の通貨で国債が発行されている場合、他国の人もその国債を買う。それを考えると、日本が破綻するぐらいだったら、先に対外債務超過のイギリスやアメリカが破綻するはずだが、その兆候は見えていない。

輸出力が弱くなり、日本の商品が海外で買われなくなる、通貨が弱くなる、そういう風にならない限り日本は破綻しない。経常収支が赤字になることすら、今後10年かかっても考えられない。(悪い状態が続いて)日本の製品が買われなくなるには何十年もかかるのではないか。そうなったとしても、他国に金を膨大に貸しているので、負債国になるまでにも何十年もかかる。



マネタリーベースからマネーストックにどうやってお金を流すか


「次元の違う金融緩和」というけど、金融緩和とはそもそも何か。新聞などでは、「ジャブジャブ金を刷っている」みたいな書かれ方をしているが、実際のところ、どういうメカニズムで、株価や国債の価格に影響しているのか、という説明をあまり見ない。

「政策目標をマネタリーベースにした」というのは本当のところどういうことなのか。こういうことをわからないと、黒田総裁が何を言っているのかも理解できないはずである。

通貨とは、決済手段である。現金と預金。財布に入れていて、ラーメンを食べて払う金、これが現金。クレジットカードでネット通販で買い物した時に払う金、これは預金から払う。現金と預金は、生活上、同じ機能を果たしている。これらを合わせたものが通貨と呼ばれて、決済の手段、ということである。

4つの経済主体で言うと、企業と家計が持っている通貨を合わせてマネーストックというが、このマネーストックが増えないと、景気は良くならない。民間人がお金を持って使わないと景気が良くならない。

今はそれが少ないから経済が回っていない。マネーストックを増やすための必要条件の一つがマネタリーベース。

日本銀行が提供している通貨(+政府が発行する貨幣(コイン)はマネタリーベースの一部。マネタリーベースにはもう一つ、日本銀行当座預金がある。

日銀当預とは何か。普通の市中の銀行は、自分たち銀行の決済をどっかでやらないといけない。これを日銀当預の振替で行う。中村てつじがりそな銀行から田中さんの三菱東京UFJの口座に1万円振り込むとどうなるか。中村のりそなの数字が1万減って、田中さんの口座の数字が1万増えるだけ。情報が変わるだけで、りそなの金そのものは減らない。

銀行システムというものがあって、毎日、すべての銀行間の振込を集計して、その分を日銀当預の各銀行の口座に反映する。その集計結果と、各銀行が持っている現金、これの合計が、銀行にとっての通貨である。

では日本銀行ができることとは何か?マネタリーベースを増やすということは、この日銀当預を増やすということ。銀行同士の決済に使われるお金の量を増やしているだけ。つまり、銀行にお金を渡すまでしかできない。民間の人たちが金を使えるためには、銀行から民間にお金が渡らないといけない。

銀行から民間に金が渡されると、マネーストックが増える。これを進めるには別の仕組みが必要。銀行から金を出す方法は2つある。一つは融資。もう一つは国債の発行、国債発行によって得たお金を政府が民間に渡すこと(政府支出を増やす)。

銀行が融資をするとはどういうことか?日銀当座預金の残高がないと貸せないということではない。だいたい1万倍ぐらいまでは貸せることが法律で決まっている。法定準備率という考え方。預金された金額は、すぐには引き出されないなどの理由。信用創造。

マネタリーベースをいくら増やしても、融資が行われなければ民間のマネーストックが増えない。銀行にとって預金は負債。それを基にして簡単に貸してしまって、取り立てがもしもできなかったら、預金者が金を引き上げた時に自分が債務を返せないという状態になる。だから銀行は、景気が悪い時に簡単にお金を貸さない。

銀行にとって金利が自分の売り上げとなる。金利をつけて返してもらうから、リスクマネーを貸せる。今のように景気が悪いと、自らリスクを取って貸すことができない。売り上げが少ない中で簡単に貸して、返してもらえなかったら、損を全部自分で被ることになる。

「資金循環統計」のグラフを見ると、赤い線(家計資産超過)と、青い線(政府資産超過)の間隔がしだいに狭まっているので、家計が国債を買い支えられなくなっている、というのを、最近政府が言っている。しかし紫の線が重要。赤と紫を合わせると、民間資産はどんどん増えている。この差額はどこに行っているかというと、海外への投資となっている。

nakamura.jpg


それはなぜかというと、一番下(緑)の線は、企業の負債と資産の差額。企業がお金を借りないと民間の資産は増えないはずだが、バブル崩壊後、平成4年ぐらいからこの20年間、上向きになっている。企業はどんどんお金を返して、貯蓄主体になっていた。金を返しているので預金の額は減るはず。だからこういうグラフになっているということは、預金の量が減っているはず。しかし、民間が持っている預金の量は右肩上がりで上がっている。企業がお金を返しているはずなので、その期間は右肩下がりにならなければいけないはずなのに、こういう図になっている。なぜなら、預金が増えるルートは、融資だけではなく、国債の発行と財政拡張によって、民間の預金の量を増やしてきたということ。

つまり、このようなデフレで、企業がどんどん借金を返している時に、もし、国債を発行していなかったら、民間が持っているお金の量はもっと減ってもっとデフレになっていただろう。国が借金しなかったら、通貨がもっと高くなり、若者の仕事はもっと減っていた可能性が高い。

たとえば1兆円の国債を発行するとき、どういうメカニズムで民間の預金が増えるのか。民間銀行の持っている日銀当座預金の1兆円が、政府の口座に入る。民間銀行のバランスシート上、1兆円が国債に替わる。政府が1兆円の支出をする。たとえば田中さん相手に公共事業で1億円を振り込む。日銀の政府口座から、田中さんの三菱東京UFJ銀行の日銀当座預金口座に1億円が入る。結局、民間銀行から見ると、1兆円が戻ってくる。

銀行の方は、1兆円は預金なので、負債となって、バランスシート上はバランスする。政府は1兆円の国債の負債が増えた。民間は、1兆円の預金が増えた。これがマネーストックが増えたということ。企業がお金がなくて負債を返している時に、こういったことをしなければ、もっと国民の生活は苦しくなっていたはず。



どうやって既得権益に不当にお金が流れることを防ぐのか


「しかし政府はどこまでもお金を発行できるんですか、それはおかしい」
→それはその通り。民間がお金をたくさん持てば、インフレ要因になる。やがてインフレが過度になる。その時中央銀行は、国債を売って、通貨を市中から回収する。マネタリベースを縮小するために金利を上げる。

金利を上げるということは国債を売ることになる。国債の金利が上がると他の金利も全部上がる。そうすると借りている人が早くお金を返す。融資も減る。ベースマネーが少なくなる。マネーストックも減る。そしてインフレは抑制される。本来の中央銀行の役割。

「なんぼでも発行できるのか」日本の円が強くなる、それはいくらでもお金を発行できるが、お金を発行すると通貨の価値が下がる。

「無駄遣いいくらでもできちゃう」
→その通り。小沢さんが今までこの説明をしなかったのは、それを言ってしまうと、無駄遣いができてしまう。民主党の公約で、無駄遣いをなくすというのがあった。この説明をしてしまうと歳出削減努力がされなくなってしまう。

安倍さんは逆をやっている。マネタリーベースを吸い上げて、民間に10兆円流しますよ、というのが補正予算だった。景気が悪くなるはずがない。しかし既得権益は温存される。これがアベノミクスの本質。行政改革はなされない。


生活の党は、財源を地方公共団体に移譲することによって、地域の人たちが地方自治の中で、税金の無駄遣いを監視できるような体制をしっかり作っていくことを主張している。これを同時に行わないと、いくら景気が良くなったといっても、既得権益が温存されてしまい、問題が残ってしまう。これを良く考えなくてはならない。

通貨安になれば輸入物価が上がる。国内産業の売り上げは上がらない。国内雇用の改善につながらない。給料は増えず、物価だけが上がってしまう。これがヘリコプタークロダの死角。だから金融緩和は財政拡張政策とセットでやらないといけないという理屈になるが、だったら公共事業をやればいいのか?という話。

しかし土木事業には供給制約がある。復興需要で職人は東北へ。それ以外の地域では高い値段になる。国交省は建設の職人の値段を上げてきた。公共事業を減らしてきたから、土木事業に生涯を賭けようという人は減った。専門性も高くなって、なかなか人が入ってこない。



若者、低所得者層に金を流さなければならない


消費性向の強い主体に金を流さなければならない。若い人、低所得者層。それによって個人消費を増やして、経済を上向きにする。子ども手当、給付付き税額控除など、消費性向の高いところ、あまり貯蓄をしないところにお金を流していく。そのことによって個人消費を増やす。

介護の分野。重労働なのに低賃金。求人に対して求職数が少ない分野になっている。ここの報酬を上げる。しかしこの分野はカルテルのように低賃金になっている。介護の業界の問題がある。

経営者がみんな揃って低賃金で抑えている。報酬単価を上げても給料を上げることにならないのが難しいが。給料を増やす形でお金を流すことができれば、介護の分野の人材が増えて、お年寄りも安心になる。



成長戦略への投資、天然ガスコンバインドサイクル発電、パイプライン


もう一つは、成長戦略への投資。結局、お金を使うのは消費か投資しかない。投資は将来の消費に向けて、先にお金を投じて、準備をしておきましょうというのが投資。その成長分野は何か。

エネルギー。我々は脱原発を未来の党の時も言っていた。嘉田さんはあまりエネルギーだ成長戦略だ、天然ガスだ、ということは言わなかった。1月4日の日経新聞に、東芝がGEと火力発電で合弁の記事があった。三菱重工や日立と対抗。世界で新設される発電所の投資額は2035年までに850兆円の予測。

新型天然ガス発電所を作れるのは世界で3つしかない。独シーメンス、米GE、三菱重工。東芝とGEが手を組み、日立と三菱が手を組んだ。世界で3つしかないグループの2つが日本。

国債を発行して、民間に行くお金をこういうところに投資して、今、原発が止まっているから従来型の石油火力発電所を、この高効率の天然ガスコンバインドサイクル発電に変える。CO2も削減でき、安い。

世界は原発じゃなくて天然ガス。日本の古い火力発電所をリプレースして、たくさん作ることで、価格競争力を持てるようになると、世界でも勝てる。

電力業界は、脱原発したらコストがかかるというが、原発を電力会社のバランスシートから外す方向を考えてはどうか。石炭から石油にエネルギーシフトした時に、炭鉱を閉鎖するのに国がお金を出した。エネルギー政策の転換時には、国がお金を出すことに正当性がある。

しかし財務省は絶対うんと言わない。政府が金を借りると次世代への負担をツケ送りというが、そういうわけではない。政府の借金は国民の資産。しかし使用済み核燃料は、純粋にツケ送りになる

原発は、目先はコストが安いと思うかも知れない。しかし続ければ、1基で年間20トンの使用済み核燃料が出てくる。現在でも1万7千tある。すでに行き場を失っている。倫理的な問題も問われている。

天然ガスパイプライン。先進国では自国に天然ガスパイプラインを引くのが当たり前になっている。日本の北方にはサハリンのガス田がある。パイプラインは4000㎞までだったらペイする。液化せずに運べる。サハリンから東京はわずか2000㎞。ロシアと交渉してやればいい。

これが日本の業界の問題。パイプライン引いてしまうと、その沿線では自由に火力発電所ができる。今の第二電力会社(エネットなど)は新型発電設備で安価に電力を提供している。そんなものがバンバンできてしまう。だから既存の電力業界が賛成しない、と言われている。

日本は、ハードカレンシー。世界中の人が使いたいお金は4種類。ドルとポンドとユーロと円。ユーロは問題がある。ドルもポンドも対外負債国の通貨。対外的に資産国で、かつ世界中で取引できる通貨は円だけ。円を発行できる日本だからこそできることがある。新しい技術、日本が経済力で世界に貢献できるやり方が見えている。それをやればいいだけ。

プロフィール

Author:アリス
資本主義の国のアリス

リベラル&ソーシャル。
最近ケインジアン。

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