大手企業の労働分配率を高くしろなどという主張は必要ない
相も変わらず共産党の大企業経営批判。
労働者への分配が足りないという。

しかし、日本の大企業社員の給与は高い。従業員100名以上の上場企業および非上場大手企業の公表値を集計すると、平均年収:5,765,490円(平均年齢39.3歳)となる。
出典:年収・給与の最新情報・年収ランキング
赤旗が取り上げた上場企業500社に絞ると、もっと高いはずだ。
※大手企業225社の平均が745万円(2013年度)という数字もあるが、役員が含まれているかどうかわからなかった。
http://kyuuryou.com/w227-2013.html
共産党が本来主張すべきは、これらの大手企業社員への労働分配率を高めるよりは、むしろ、製造業の場合なら原価率を上げて下請け企業に回せとか、そういう話になるはずではないだろうか?
いま、もっとも憂慮されているのは、一つには、生活保護費すれすれの年収100万円台から、300万円ぐらいの人であり、また、もう一つの観点では、年収のボリュームゾーンである300~400万円ぐらいの人たちだと思う。以下の図は年収ラボ「年収階層分布図2014」からの転載である。

年収400万円以下の人々がもうあと100万円、200万円を稼げるようになると、日本の景気は俄然違ってくるはずだ。
これはOECDのいう、下層40%を引き上げろという提言とも一致する。
どうしたらいいのかという対策についてだが、もちろんただ一つの万能薬があるわけではない。
私が最近、有効な対策の一つとして考えているのは、失業時の国からの保障を強めることと、中堅中小企業への税制保護を弱めることだ。
特に国には、自己都合によってでも即刻失業保険給付を出すようにしてほしい。いまのように、自己都合の場合3カ月間給付されないようでは、ブラック企業から逃げ出すことすら難しいし、まして「非効率的」程度の中小企業を辞めてより効率的で社員の力を活かす企業に転職することなど、極めて困難だ。解雇規制ではなくむしろ、こういうことが日本の雇用流動性を低めているのではないかと思う。
そして中堅中小企業への保護政策は切って、赤字でも税を取るような方向に持っていくのが良いと思う。スタートアップ企業には何らかの支援をするとしても、ずっと赤字なのはそれこそ企業の責任だ。
アマゾンのように設備投資がすごいので赤字であるとしても、税制優遇する必要はない。社会のインフラを使って事業を継続しているのだから、法人税はきちんと取るべきだ。
そして税金も払えないような非効率的な中堅中小企業は、淘汰されるべきだろう。有象無象の企業がある程度淘汰され、過当競争が減ること、中間コストが減ること、それらが社員の給料増につながる。たとえば、(中小企業の事例ではないが)宅配業者が淘汰された結果、ヤマト運輸が企業からもらう配送料を値上げできるようになった。今後、この成果としてもしヤマト運輸が配達員に、より高い賃金を払えるようになるとすると、人手不足の折、ヤマト運輸の競争力はますます高まり、業界の賃上げ圧力はますます高まるだろう。
少なくとも赤旗が大げさに記事にしているような、大手企業の労働分配率を高めることは、低所得者層の賃金を上げることとは何の関係もない。
労働者への分配が足りないという。

しかし、日本の大企業社員の給与は高い。従業員100名以上の上場企業および非上場大手企業の公表値を集計すると、平均年収:5,765,490円(平均年齢39.3歳)となる。
出典:年収・給与の最新情報・年収ランキング
赤旗が取り上げた上場企業500社に絞ると、もっと高いはずだ。
※大手企業225社の平均が745万円(2013年度)という数字もあるが、役員が含まれているかどうかわからなかった。
http://kyuuryou.com/w227-2013.html
共産党が本来主張すべきは、これらの大手企業社員への労働分配率を高めるよりは、むしろ、製造業の場合なら原価率を上げて下請け企業に回せとか、そういう話になるはずではないだろうか?
いま、もっとも憂慮されているのは、一つには、生活保護費すれすれの年収100万円台から、300万円ぐらいの人であり、また、もう一つの観点では、年収のボリュームゾーンである300~400万円ぐらいの人たちだと思う。以下の図は年収ラボ「年収階層分布図2014」からの転載である。

年収400万円以下の人々がもうあと100万円、200万円を稼げるようになると、日本の景気は俄然違ってくるはずだ。
これはOECDのいう、下層40%を引き上げろという提言とも一致する。
成長への悪影響の最大の要因を低所得世帯とそれ以外の所得相関の格差であり、その悪影響は最下位10%のみならず、下位40%までの全ての所得層にまで及ぶとします。つまり、貧困の問題に取り組むだけでなく、より広義に低所得の問題に取り組む必要
http://buzzap.jp/news/20141220-oecd-report/
どうしたらいいのかという対策についてだが、もちろんただ一つの万能薬があるわけではない。
私が最近、有効な対策の一つとして考えているのは、失業時の国からの保障を強めることと、中堅中小企業への税制保護を弱めることだ。
特に国には、自己都合によってでも即刻失業保険給付を出すようにしてほしい。いまのように、自己都合の場合3カ月間給付されないようでは、ブラック企業から逃げ出すことすら難しいし、まして「非効率的」程度の中小企業を辞めてより効率的で社員の力を活かす企業に転職することなど、極めて困難だ。解雇規制ではなくむしろ、こういうことが日本の雇用流動性を低めているのではないかと思う。
そして中堅中小企業への保護政策は切って、赤字でも税を取るような方向に持っていくのが良いと思う。スタートアップ企業には何らかの支援をするとしても、ずっと赤字なのはそれこそ企業の責任だ。
アマゾンのように設備投資がすごいので赤字であるとしても、税制優遇する必要はない。社会のインフラを使って事業を継続しているのだから、法人税はきちんと取るべきだ。
そして税金も払えないような非効率的な中堅中小企業は、淘汰されるべきだろう。有象無象の企業がある程度淘汰され、過当競争が減ること、中間コストが減ること、それらが社員の給料増につながる。たとえば、(中小企業の事例ではないが)宅配業者が淘汰された結果、ヤマト運輸が企業からもらう配送料を値上げできるようになった。今後、この成果としてもしヤマト運輸が配達員に、より高い賃金を払えるようになるとすると、人手不足の折、ヤマト運輸の競争力はますます高まり、業界の賃上げ圧力はますます高まるだろう。
少なくとも赤旗が大げさに記事にしているような、大手企業の労働分配率を高めることは、低所得者層の賃金を上げることとは何の関係もない。
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