洗脳と主流派経済学

最近見たツイートで面白かったもの

進学しなくていいから、もう少し普通のテキストを読んで欲しい気がします。RT 鍵: @APISIer氏はMMTなどに洗脳されずに、普通に経済学の大学院進学して本格的に経済学勉強してみたら、と思っている。


「鍵」となっているのは主流派経済学者さんらしいですねw

さてこのツイートを興味深く眺めたところで、次の記事を見てみましょう。

現実世界の経済学 Globalization and Society: 賃金主導型の成長を擁護する

ピグーの本は、簡単に要約すると、高い実質賃金(または実質賃金の上昇)が失業を拡大する、と主張するものでした。ケインズは、このピグーの結論を支える2つの公準があると指摘していました。
 2つの公準のうち一つは、実質賃金が高いほど労働供給(労働者が働きたいと考える時間)が多く、実質賃金が低いほど労働供給が少ないという傾向があるというものですが、これが成立しないことは、ちょっと考えれば誰でもわかります。もし賃金率が低いのに、わずかな時間しか働かなければ、所得はものすごく少なくなるでしょう。普通は逆です。一定の所得を得るためには、より長い時間は働く必要があります。また賃金率が上がれば、人はより短い労働時間で以前と同じ所得を実現することができます。(これは、アメリカのダグラス大佐『賃金の理論』(1936年)で実証されています。)
 それによく考えると、労働供給は、ほとんど長期の歴史的・社会的・文化的条件によって決まっています。例えば今年22歳になって働き始める人は、22年前に生まれているのです。現在の賃金率が高いから22年前にさかのぼって生まれたわけではありません。ま昔はた多くの人が15歳には働いていましたが、現在の日本では20歳で働いている人の方がはるかに少ないことは誰でも知っています。
 そこで、ラフに言うと、短期には労働供給は一定と考えてもよいでしょう。いずれにせよ、ピグーの公準の一つは崩れました。


私は一昨年、スティグリッツの経済学の入門本を読もうとして、挫折した経験がありまして。

そのポイントがまさにこれに関連するところでした。

労働の供給曲線がよくわからない…(昼休みに『入門経済学』を見ています)「賃金が高くなると労働に対する報酬が多くなるため、人々は(労働時間を増やし)余暇を減らす代わりに財の消費を増やそうとする」直感的にわからないw
(2013年6月2日)
https://twitter.com/alicewonder113/status/341037734762274816

賃金が高くなるほど労働時間を増やす?
(2013年6月2日)
https://twitter.com/alicewonder113/status/341037904916774913



当時、私に「それはね、こういえばいいかな」的に教えてくれる方々がいらっしゃって、それでもわからなくて、「経済学ってのは、専門的に学ばないとだめなんだな」と諦めたものでした。

しかし、どうも公準自体、実証研究やそもそも論で、崩れ去る程度のもののように思えます。

洗脳されているのはMMTerなのか、主流派経済学シンパなのか、さあどっちですかね。

なお、スティグリッツの入門本は、単に主流派経済学の基礎を並べただけのものですから、スティグリッツに文句は言いません。(私はスティグリッツはクルーグマンより信頼しています)

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No title

おもしろい議論が紹介されています。とくに2年ほど前の記事ですが、

英国の左派経済学の不在を嘆くブログ
2013-10-06 経済学

アメリカの左翼も経済学が苦手
2013-10-01 経済学

は参考になりました。皮肉としても秀逸ですが、現在の左派の深刻な問題点を指摘していると考えます。

もうひとつ、ここのリンクには入っていないのですが、「秋山のプログ」というブログは、お医者さんが経済学と経済政策を考察しているというとてもユニークなプログです。わたしもときどきコメントさせてもらっています。

Re: No title

塩沢さま、コメントありがとうございます。
たいへん興味深いブログのご紹介もありがとうございます。
週末じっくり読みたいと思います。
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最近ケインジアン。

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