NPR・タイラー・コーエンインタビュー
タイラー・コーエンというアメリカの経済学者がいることを先週知りました。かなり有名な人らしくて、2011年に英The Economist誌で、過去10年間で最も影響力のある経済学者としてノミネートされたそうです。また同年Foreign Policy誌では「世界の思想家トップ100」にランクインとか。
(参考:Wikipedia「タイラー・コーエン」)
先日、アメリカのラジオ「NPR」でこの人のインタビューを放送していまして、聞いてみると“AVERAGE IS OVER”という本を出したところだということです。
そこには、なんと、
「アメリカの経済格差はこれからも拡大する」
と書いてあるそうなんですよ。
「それ知ってた!知ってたよ!」
と、つい言いたくなりますけどね。
少なくともアメリカの暮らしは、貧困層の暮らしであっても良くなってきた、と彼はいいます。犯罪率も、殺人率も減ってきた。平均余命は延び続けている。もしどれほど貧困の人でも、健康で文化的な生活が送れるなら、格差があってもいいじゃない?
と、いうわけです。
NPRは左派系メディアですから、インタビュアーがビックリしちゃって、「でも格差は良くないんじゃない?なんか対策しないといけないんじゃない?」とつっかえながら聞くもので、コーエンさんも慌てて「いや格差はもっと減らすべきだと思うよ」とは何回か言ってるんですけど、正直、あんまり興味がなさげ。
なんでも、新しいものが生み出されると、古いものが安くなる。おかげで収入の低い人々でも暮らしに問題がなくなるほど、いろんな生活必需品が安くなる、だからお金を使わなくて良くなる、ということらしい?
たとえば教育。オンラインでインターネット越しに見られる教育コンテンツが、どんどん出てきて、無料で高い教育を受けられるようになる。お金持ちでなくても、インドにいてもインドネシアにいても、高品質の教育を受けられるというのです。
そしてこれからはIT系の、どうしても人間の頭で考えないといけないような部分や、マーケティングとかデザインとか、あるいは教育の分野で生徒のモチベーションを引き出す役割の人などが、突出してお金を得ることができるだろうとのこと。
でも、そういう方向のスキルのない人はどうしたらいいか、っていう目線は、どうもないみたいでした。
一方、同じメディアの別の放送で、スティグリッツさんが、「格差が拡大してきたのは、そういう政策をわれわれが取ってきたからだ。それをなくすために、制度を工夫しなければならない」と言っています。さすが左派、スティグリッツさん。
ただコーエンさんは自分の本について「これは、何がいいとか、何が悪いとか言うための本じゃないんだ。これから先、アメリカがどんな風になるか、レイアウトを示しているものなんだ。それを見て、みんなでどうしたらいいかを考えるためのものだ」と言っています。なるほどですね。
なんてことを書いていたらツイッターでこの人の記事の翻訳タイラー・コーエン 「世界を変えた知識人たち」の案内ツイートが流れてきました。「世界を変えた知識人たち」として、1位にピーター・シンガーを挙げているというのは、実はなかなか深遠な考え方の人なのかなぁと思ったりもします。
「AVERAGE IS OVER」、けっこうおもしろい本なのかも知れません。
(参考:Wikipedia「タイラー・コーエン」)
先日、アメリカのラジオ「NPR」でこの人のインタビューを放送していまして、聞いてみると“AVERAGE IS OVER”という本を出したところだということです。
そこには、なんと、
「アメリカの経済格差はこれからも拡大する」
と書いてあるそうなんですよ。
「それ知ってた!知ってたよ!」
と、つい言いたくなりますけどね。
少なくともアメリカの暮らしは、貧困層の暮らしであっても良くなってきた、と彼はいいます。犯罪率も、殺人率も減ってきた。平均余命は延び続けている。もしどれほど貧困の人でも、健康で文化的な生活が送れるなら、格差があってもいいじゃない?
と、いうわけです。
NPRは左派系メディアですから、インタビュアーがビックリしちゃって、「でも格差は良くないんじゃない?なんか対策しないといけないんじゃない?」とつっかえながら聞くもので、コーエンさんも慌てて「いや格差はもっと減らすべきだと思うよ」とは何回か言ってるんですけど、正直、あんまり興味がなさげ。
なんでも、新しいものが生み出されると、古いものが安くなる。おかげで収入の低い人々でも暮らしに問題がなくなるほど、いろんな生活必需品が安くなる、だからお金を使わなくて良くなる、ということらしい?
たとえば教育。オンラインでインターネット越しに見られる教育コンテンツが、どんどん出てきて、無料で高い教育を受けられるようになる。お金持ちでなくても、インドにいてもインドネシアにいても、高品質の教育を受けられるというのです。
そしてこれからはIT系の、どうしても人間の頭で考えないといけないような部分や、マーケティングとかデザインとか、あるいは教育の分野で生徒のモチベーションを引き出す役割の人などが、突出してお金を得ることができるだろうとのこと。
でも、そういう方向のスキルのない人はどうしたらいいか、っていう目線は、どうもないみたいでした。
一方、同じメディアの別の放送で、スティグリッツさんが、「格差が拡大してきたのは、そういう政策をわれわれが取ってきたからだ。それをなくすために、制度を工夫しなければならない」と言っています。さすが左派、スティグリッツさん。
ただコーエンさんは自分の本について「これは、何がいいとか、何が悪いとか言うための本じゃないんだ。これから先、アメリカがどんな風になるか、レイアウトを示しているものなんだ。それを見て、みんなでどうしたらいいかを考えるためのものだ」と言っています。なるほどですね。
なんてことを書いていたらツイッターでこの人の記事の翻訳タイラー・コーエン 「世界を変えた知識人たち」の案内ツイートが流れてきました。「世界を変えた知識人たち」として、1位にピーター・シンガーを挙げているというのは、実はなかなか深遠な考え方の人なのかなぁと思ったりもします。
「AVERAGE IS OVER」、けっこうおもしろい本なのかも知れません。
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