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70年代の亡霊

ちょっと前のことだが、6月1日に、左派思想に詳しくかつリフレ派の松尾匡さんが、朝日カルチャーセンターで『「右」と「左」を問い直す-これからの本当の対決軸とは』と題して講演すると知り、受講料がちょっとお高くて迷っていたものの、直前に決心して思い切って出かけた。
その講演にはとても感銘を受けて、それ以降、いつも頭の片隅に引っかかっている。

まとめたものはこちら。「右」と「左」を問い直す - これからの本当の対決軸とは

今日、ねずみ王様が小沢一郎についていくつかツイートしているのに興味を惹かれた。

yeuxqui 7:38pm via TweetDeck
わたしはメディア周辺の人びとの小沢一郎への憎悪をうまく理解できないでいた。一時は、アメリカに楯突いたからだと考えてもみたが、いまひとつ納得できないものがあった。彼は要するに裏切り者だったのだ。
http://twitter.com/yeuxqui/status/356724798845501440

おそらくメディア周辺の人びとにとってもっとも大切な故郷を破壊しようとしたのだろう。かつて蓮實重彦が、改革と連呼する人間がやっているのは、何も変えないために変えることだと述べたことがあるが、おそらく彼が破壊しようとしたのは、変えたくなかった何かだったのだろう。

そう考えるとあの理屈を越えた成分の幾ばくかは理解できるような気もする。

小沢一郎という政治家にたいして、それほどの興味はなかった。興味を持ちだしたのは最近だ。それはメディア周辺(あるいは「東京」と一致するような気もする)からあれほどの憎悪をぶつけられるようになったのかがまるで分からなかったからだ。性格的に難のある権力など掃いて捨てるほど存在したはずだ


王様のつぶやきは一面を捉えていると思う。

だけど、改めて小沢氏について考えると、わたしの頭に浮かんでくるのは松尾さんの講演の内容だった。

松尾さんによれば、ハイエクやフリードマンらは、70年代までに行き詰った国家主導体制を批判して、こういうことを考え付いた。

ハイエクの考えた国家の役割
(1)国家は民法などの取引ルールを整備する(労働保護基準も含む)
(2)否定したのは政治家や官僚の胸三寸の判断。→民間人が予想可能なルールへ。
(3)リスクのあることは民間の現場の判断と責任⇔公共は民間人の不確実性を減らす役目=民間人の予想の確定。

フリードマンの考えた国家の役割
(1)ダメなのは政策当局者の胸三寸に任された政策(成長分野の支援策などは典型)
(2)提唱したのは、民間人の予想を確定するルール ← ハイエクの主張と同じ

そしてもう一つ思い出すのが、Open Government Participationの動画と、最後に現れる「Transparency+Participation=Accountability」というテロップ。

この動画でイメージされているものは、おそらく我々が向かっているところで、その流れを止めようとしても止まらないものだと思う。資本主義や市場経済がとうとう止まらなかったように。

小沢氏が嫌われたのは、この「70年代的国家主導体制から脱却し、透明性が確保された政府/国家へ」という流れと関係しているのではないだろうか。

小沢氏は密室談合的なものをいまだに体現した政治家なんではないかと思う。それは、氏が福一事故後ずいぶん経ってから、脱原発への態度表明をしたタイミングを見て、うっすらと感じていたのだが、その時はそれよりもむしろ、「最も効果的なタイミングを見ていたのだ、さすが小沢だ」と思っていた。

その後リフレ政策に注目するようになってから、小沢や鳩山が実は日銀法改正を考えていたりとか、マクロ経済を理解しているような言動をしたことがあると聞き、小沢はなぜリフレを打ち出さないのだろう、と不思議に思っていた。

その時ふと、かつて福一事故の1年後ぐらいだったか、年末に小沢氏が支持者との座談会で、核廃棄物処理の不可能性に言及したと聞いて、なぜ彼ははっきりと脱原発を打ち出さないのだろう、と不思議がったことを思い出した。

参院選挙直前の今、生活の党は政策に金融緩和をうたっているのに、小沢は「円安は庶民の敵だ」と演説する。彼にとっては安倍をまず倒すことが必要で、その間、政策については人々に誤解させたままにしていても構わないのだ、としか思えない。

マスコミも、彼を嫌う人も、そういった彼の曖昧さや、得体の知れなさが嫌いなのではないかと思う。言って見れば彼は、70年代的な最後の政治家なんじゃないだろうか。

これから、「透明性」はますます求められるだろう。ある意味、安倍や橋下などの「わかりやすさ」は、「透明性」への追及から起こる副作用のようなものなのかも知れない。


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