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小泉構造改革によって下がり続けた日本の生産性

まずこの図を見てほしい。

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【出典】Turedure Keizai 「財政出動論32 「財政レジーム転換」と長期停滞」

2002年の頭にドル円は最高値をつけ、その後円高に向かったにも関わらず、OECDの中で、日本は一人当たりGDPの順位を下げ続けた。

つまりこれは日本の生産性が他国に比べてどんどん下がったということだ。

生産性の測り方にはいろいろあるが、国単位で見るならば、分子に付加価値を置き、分母は単純に国の人口で割ればいい。つまり国の人口が大きく変わらないならば、GDPの順位が落ちたということは、日本の生産性が他国よりも低くなってしまった。この頃世界はバブルだったから、日本が立ち遅れていたという見方もできるが、いずれにせよ順位が下がっていった。

小泉の構造改革は、生産性を向上させるための施策ではなかったのか?

小林慶一郎という経済学者が口を極めて小泉構造改革を絶賛している。(「小泉改革で経済はどう変わった?」

小泉政権の5年間で、公共事業の削減が続き、談合の摘発も強化された。会社法の改正や、公認会計士への司法的責任追及など、企業法制の環境も大きく変わった。多くの分野で競争原理が強まり、日本経済の体質を強化したといえる。

小泉政権の経済政策には、市場システムを価値観として信奉することからくる突破力があった。

個人や企業の自由な経済活動が、巡り巡って社会全体の福祉を高める、という「市場原理」は自由の理念へのもっとも素朴な信奉というべき仮説だ。


おかげでOECDの中での順位がどんどん下がりましたねって、なんか違う。

どうしてこんなに順位が下がったのか?

Turedure Keizaiでは次のように説明している。

(前略)構造改革は、生産性の式の分母の「投入」つまりコスト削減に作用し、生産性を上昇させるはずだった。だが、需要不足下の市場では、それは同時に、分子の産出額すなわち需要に負の影響を持続的に与えることになり(分子の伸びが抑制された結果)、国際的な比較において相対的には、むしろ生産性は低下したのだ。
この結果、企業の効率化は進み、生きている企業の生産性は上昇したが、人件費の削減で企業の外に出された人々を含む一国全体の生産性は(国際間の相対的な比較では)持続的に低下したのである。

引用元:Turedure Keizai 「財政出動論32 「財政レジーム転換」と長期停滞」



おかげで、低所得者層や、無職者(就職活動さえ諦めた人々)が増加し、日本の中間層の下に下層が生まれた。そしてそれは、固定化しつつある。

再度小林慶一郎氏の小泉改革絶賛を味わっていただこう。

市場システムをよりよいものにしていくことが目的である、という姿勢で、これまでの改革の不備をただしていく必要がある。

つまり、格差是正などの課題に対しては、競争制限的な政策ではなく、市場ルールの整備など競争環境を洗練することによって、対処していくべきである。特に、労働市場の改革によって、公正な労働環境を作ることが、格差解消への道であり、無駄な公共事業や政府の直接介入は、厳に慎むべきであろう。



高度成長期に添った日本の企業別メンバーシップ型雇用は変わっていくだろうが、この人に労働市場を改革させたらとんでもないことになりそうだ。公共事業を無駄と切り捨てているようでは、この人の助言のもとでは景気回復も未来永劫ないだろう。政府への不信感はリバタリアニズムにも通じる。

ところでこうした状況を評して「今の日本は拒食症で体重が減り続けているのでしょうか?私には年齢を重ねて年相応に落ち着いてきているだけに見えます。むしろ、成人病(社会保障費の膨張)に備えてダイエットした方が良いのでは?」などという経済学者もいる。https://twitter.com/hatano1113/status/532861937118228481

若者の自殺率が増え続けているいまの状況を「(国が)年相応に落ち着いてきている」とはまことに呑気な物言いである。牛丼福祉レジームで著名な社会学者を思い出す。

金融緩和にせよ、財政出動にせよ、不況下における国の役割を認識し、国が積極的に経済成長と雇用創出の環境を整えるように、さまざまに提言活動をする人を支援していきたい。

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