(メモ)なんばさんの実況によるみわさんVS.片山さん対決

ナょωレよ″丶)ょぅすレナ ‏@rna
あ、今BSフジでみわvs片山やってるのか
https://twitter.com/rna/status/362161349108838402

ちょっと今見る気力ない…あとで録画見ます…
といいつつテレビつけた。なんか消費税の話してるな。
なんでこうも金融政策の効きを信用しないのかねこの人たちは?>自民党議員
CMが金持ち向けでワロタ
来たぞ。生活保護特集。BSフジ。
お、例のメッセージクロスが
お、みわさん登場。
@sakanazuki_ntk 生放送でサイトから意見拾うみたいなので…
https://ssl.bsfuji.tv/form/j01/form/primenews_opinion.html
片山。生活保護の国際比較の表を出して日本は高いと。諸外国は最低賃金の月収より低くしてると。
片山氏。デフレ分減らすことも言ってるけどそこはあまり強調したくない雰囲気。みわ氏が反論用意してるの知ってるからかな?
みわ氏のターン。1)物価下落の計算方法に疑問 2)一般所得との比較は所得税の基礎控除分が最低生活費と同じ意味合いだがそれより生活保護費は低い(ということ? 趣旨がいまいちわからなかった) 3)、、、ききのがした(;´Д`)
長友氏。統計上の所得一番低い層が本当に最低限度の生活してるのか、足りてないのでは、みたいな話。
片山氏、NHK受信料も除いてますし、って言ってるけど、TV持ってない人もいるぞー。
片山氏、自立支援が生活保護、って言ってるのはタテマエとしてはそうだけど年寄りや障害者が最低賃金以上働けるの?
大塚氏。生活保護の今の基準は田中角栄のバラマキに由来するみたいなこと言ってる。
長友氏。高齢者の貧困率が高くなっている。年金が厳しくなってるから。
片山氏、医療費ただだから過剰診療になってる、特に高齢者が。PETとか使ってる、と。
あ、大塚氏は民主党か。。。
自民・民主なかよく福祉削減を訴えてるのか。
長友氏。単身の後期高齢者、主に女性が、年金で生活できなくなり生活保護に。年金改革が必要。
みわ氏。医療扶助が増えるのは高齢化の問題というのはその通りだが、過剰医療の話は取材してもほとんどきかない、むしろ、なかなか医者にいけない人が多い。連続して通院じゃない場合は、福祉事務所に申し出ないと医者にいけない。

>生田 瞬 ‏@shishitou43
>@rna デフレ分と言っても、食品と電化製品でえらい違いやぞ。
@shishitou43 そそ、そこがみわさんの論点のはずだけど、あまり言えてないままターンが回ってしまった漢字でした。

みわ氏、入院費が多い、入院が必要なのはしょうがないんじゃないか。片山氏、入院者が全部生活保護者の病院を監査で洗い出している。
長友氏、それ(不正?)は受給者の問題じゃなくて医療機関の問題。
みわ氏。精神科の社会的入院が問題ではないか。入院より生活保護を受けながら社会生活した方が本人のためだし安上がりにもなる。
片山氏、そこに自立支援の話を繋げたけど、繋がりが無理矢理なような。
片山氏、女性のケースワーカーが男性の怖い人に対応できない、という例を挙げて、チェックが足りないと…
逆の話の方が多くないか?

>ぼん ‏@Bong_Lee
>順にそう思う。“@rna: 逆の話の方が多くないか?”
@Bong_Lee 女性受給者の話聞く機会が多いせいもあるけど、ほんとそう。みんなそうというわけでもなくて当たり外れの問題ではあるけれど、外れが辛いのは男性ケースワーカー&女性受給者のがキツそう。

長友氏、生活保護の補足率(生活保護を必要としてる人が受給してる割合)について厚労省調査では補足できてるのは32%、世界的にも低いと。

お便り。日本は申請主義なので捕捉率が低いのでは、とのこと。
みわ氏。日本は国連社会権規約委員から捕捉率低いことをツッコまれてる、スティグマ(生活保護を受けると二級市民扱い)が問題と指摘されている。
みわ氏。「生活保護手帳」を紹介。ケースワーカーが全員持ってる公式ルールブック。別冊の問答集もあるとか。
長友氏。福祉のために国民負担率を上げるのは仕方がない、消費税は上げても社会保障に実際に反映されているか不透明。その不信感があるから消費税増税は理解されないだろう。
片山氏。消費税より多くの額を福祉に使ってるからその理屈はおかしい、と。
いや、それ総額の話のような…? 問題は、上げた差分に応じて上がったか、って話ではないかと思う。
というか、デフレで福祉需要が増えて総額自体が上がったのを指してるのなら、消費税上げた分福祉を充実させたって話にはならんよね。
片山氏、生活保護法改正案、自公案に戻して提出することはない、とのこと。
片山氏、働ける世代が働く意欲をなくしたら国が亡びる、と。
みわ氏、捕捉率が低いことが問題になってるのだから利用しやすくする方向にもっいくべき、不正受給は十分低い、ゼロにするのにコストをかけるのは不合理、不正受給と言えないようなケース(高校生が知らずにバイトとか)もある。
長友氏。制度の厳格化が受給できる人を減らすのはまずい。そもそも今受給してる人で働ける人は少ない。高齢、病気など。自立できるのはわずか。8万人しかいない。その程度の人達のために金かける政策はどうなのか。
大塚氏、8万人でも働いてる人から見ればそれだけの人が働いてないのはショック。
長友氏、8万人は働いてないわけじゃない。働いても足りないということ。
長友氏、就労意欲のある人は生活保護に入っても1ヶ月、2ヶ月で出てってる。
大塚氏、社会的労働をやってもらうのはどうか、と。

視聴者のお便り、奉仕活動してもらうとかどうか、と。片山氏、奉仕活動やらせようとしてるのに… みわ氏、自治体によっては奉仕活動やっている。
長友氏、生活保護を抜けるのが自立ではない、その人の能力に応じて社会に貢献すれば生活保護を受けてても自立ではないか。
片山氏、小野氏の見守り条例、パブコメかけたら賛成多数だ、捕捉率の問題は、構造失業率が低い日本と欧米を比べるのは間違いだ。
片山氏、捕捉されてないのは不公正と思わないか、とキャスターに振られて、思うとは言わず、もらえるものはもらうという風潮が、マニュアルが出回ってる、と回答。

書道のコーナー? 片山氏「自立促進」
大塚氏「就業支援策とセット」
大塚氏、本当に必要な人にまで辛く当たる風潮が最近あって心配だけど、みたいなことを今更…
長友氏「命の平等」
長友氏、お金のある人は医療を受けられてお金のない人は受けられない、というのはダメだ、と。
みわ氏「コンビニ給付」
みわ氏、自立の努力は殆どの人が尽くしている。その上で必要ならコンビニで買い物するように受けられるべき。『生活保護手帳』『問答集』は全国の図書館に入れて欲しい。

ちなみになんか不穏な発言だなと思われるものは聞き間違いだと悪いのでtsudaってないよ。

お便り。不正受給と外国人の需給が許せない。片山氏も同調。1200億円を外国人にあげている、と。

片山氏、大半は朝鮮半島出身と。我が国の雇用を奪っているトップ企業を擁する韓国には負担して欲しい。
社会権規約は破棄したいってことですかね。。。

お便り。年金払わずに年とったら生活保護もらえばいいんじゃないって友達がいる、って学生さん。長友氏、年金制度への不信が問題、と。

お便り。違法薬物購入とかに使われるので現物支給にしよう、と。みわ氏、現物支給の方が金かかる。違法薬物の不正は本人が依存症だったりするので医療の問題。

俺のお便りは読まれませんでしたーーーーーっ!

おしまい。



おまけ
他の人のツイート

myfavoritescene Jul 30, 8:56pm via ついっぷる/twipple
大塚耕平は与党が生活保護に切り込むのを褒めてたり。。ダメだなあ。。

myfavoritescene Jul 30, 8:44pm via ついっぷる/twipple
#bsフジ で大塚耕平と片山さつきが並んで生活保護と社会保障を dis っていた。角栄が悪い、とか。

yeuxqui Jul 30, 9:46pm via Web
元日銀か。 大塚耕平 - Wikipedia p.tl/1ZAR

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田中先生による貧困に関する著述

とりいそぎメモとして。



田中秀臣 ‏@hidetomitanaka
デフレ不況の持続と生活保護受給者の増加との関連は片岡剛士さんの資料、高橋洋一さんの論説を参照のこと。高橋「急にクローズアップされた生活保護問題デフレ脱却と「負の所得税」が合理的な解決策」
http://diamond.jp/articles/-/19320/ 片岡http://p.news.nimg.jp/pdf/a/nw0_20120611_kataoka.pdf

岩田正美『現代の貧困』再読(その1http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120528#p1

僕の人生と生活保護のリアル>平成大停滞と女性の暮らしの変容
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20111203#p1

野田政権、政府主導の「貧困ビジネス」化の加速=日本型クローニー資本主義
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20110921#p2

なぜ若い人たちは「失われた世代」になってしまうのか?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100819#p1

アリストテレスの需要(クレイア)の経済学
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100320#p1

三浦梅園、福田徳三、河上肇、そして貨幣価値
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20091212#p2

書評:山野良一『子どもの最貧国・日本』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081128/178627/

僕がミクロ問題を考えるときのひとつのベース
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090802#p1

ロイック・ヴァカン『貧困という監獄ーグローバル化と刑罰国家の到来』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090227#p3

門倉貴史『貧困ビジネス』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090225#p1

]なんで失業や貧困心配する論者が、労働分配率を気にするのか?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090220#p1

露骨な富裕層優遇よりも政府紙幣が嫌われる理由とは?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090215#p1

イチロー・カワチ他『健康格差と正義』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090205#p2

雇用・格差のいいかげんないいがかりについて:過去に僕もその三択問題でプッツンしたことありました
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090202#p1

 アメリカとは違う経済モデルは可能か?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070801#p1 …  
小宮隆太郎の60年代後半スウェーデン経済論
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070127#p2

ロスジェネの経済学に向けて
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081101#p2

貧乏物語関連コメント
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070616#p4

REAL-JAPAN » ハイエクの経済学からアーキテクチャの経済学へ:太子堂正称氏との対談(ミュルダールを超えて第十回)
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REAL-JAPAN » SF、ベーシックインカム、生存権
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REAL-JAPAN » 家庭内暴力と「おカネ」をめぐる話:大野更紗氏との対談(ミュルダールを超えて第八回)
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REAL-JAPAN » 村上春樹と物語の経済学
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REAL-JAPAN » 福祉世界という希望:藤田菜々子氏との対談(ミュルダールを超えて第六回)
http://real-japan.org/%e7%a6%8f%e7%a5%89%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e5%b8%8c%e6%9c%9b%ef%bc%9a%e8%97%a4%e7%94%b0%e8%8f%9c%e3%80%85%e5%ad%90%e6%b0%8f%e3%81%a8%e3%81%ae%e5%af%be%e8%ab%87%ef%bc%88%e3%83%9f/
… #Zenback @zenbackさんから

なんかリフレも生存権問題もそうだし、QunQunやUniqlockの子もそうだけど、いったん興味をもったらずっとなが~く熱意を持ち続けるのが僕の特徴かも。前者の社会問題は太く長く、後者は細く長く。




貧困問題とリフレ派(それに関する行き違いのあるやりとり)

今日、田中秀臣先生がみわさんの著書に対する感想をツイートされていました。
みわさんはダイヤモンドオンラインでずっと『生活保護のリアル』を連載しています。

田中先生はずっと貧困とデフレについて考察を続けてきており、そうした目から見て、みわさんのリフレ批判にとても失望されたようです。

結局、みわよしこ氏の『生活保護リアル』もインフレ目標には無理解か。がっかりした。

みわよしこ氏のインフレ目標と消費税による物価理解が、池田信夫と変わらない。シノドスとの交流が、知的な意味で(少なくともマクロ経済)では、何ももたらしていない。『生活保護のリアル』、これだと他のところも用心して読むべきかもしれない。

期待しただけにがっかりだ。

しかしインフレ目標で単に物価があがるだけみたいな理解を持っている「貧困問題」研究者やその関係の人たちは、自分たちが「完全雇用」という形で事実上の貧困の重要部分を無視してしまっていることを猛省すべき。自らの党派的イデオロギーと「現実」によりそっているという思い上がりも相対化しようよ

90年代前半から経済思想史の範囲でだけど、貧困とデフレ問題を自分なりにやってきた身としては、このようなみわ氏の本は本当にがっかりする。今日は、アイドルのライブ行くつもりだったが気分晴れないのでいかない。いい加減に、リフレと再分配のまともな組合せを、リフレ派以外から聞きたいよ。

既存の政党のイデオロギーやしがらみ、官僚の縦割り主義、そういったものが、リフレと再分配といういまの日本に求められる最善の政策の組合せを阻害している。民間の人たちも例外ではない。耳に痛いのか知らないが、人気のない意見だが、ネットの人たちの意見の多くは官僚の意見の伝言ゲーム的劣化版

みわ氏の『生活保護のリアル』(日本評論社)の物価理解は間違い。インフレ目標を批判しているがそれも誤解に基づき、むしろ事実上貧困問題の重要な側面を、安倍政権への批判という党派的な色彩の下あやふやにしている



ここで私が、先生に、次のように提案して、すっかりひんしゅくをかってしまいました。

田中先生、みわさんは近々片山さんと対戦に赴くのですから、あんまり直前にdisらないでくださいw 片山戦とのほとぼりが冷めた頃に対談かシンポか何か、企画できないものでしょうか?貧困とデフレというようなお題で。もしくは今風に生活保護とリフレ、とか。

リフレ派が生活保護制度に対して、どのぐらい提案できることがあるのかどうか(人によっていろいろ考えがあると思いますが)も、個人的に聞きたい論点です。



(念のため申し上げますと私は、田中先生が、生活保護を必要とするような弱者に対して、社会がどうあるべきか、真剣に考えてこられた方だと思うからこそ、みわさんと対談の場をもって欲しいと思いました。
そして、生活保護問題に取り組む人たちに、真に訴えかける力を持つ人、と考えたとき、田中先生の理解の広さと深さこそが、それを達成できるのではないか、と思ったのでした。

また、リフレ派がけっこう再分配を重視していることは承知の上で、生活保護費削減や、最近議論になった生活保護制度改正(改悪?)という具体的な出来事に対し、どういう具体的な提案ができるかということだったのですが、考えもまとまっておらず、しかも誤解を招く書き方でした)

田中先生は、これまで貧困や生活保護に関連して書いてこられたリンクをまじえつつ、次のようにツイートされています。

あなたも党派的な人かもしれませんね。いままでもここで散々、書いてきてます。基本的に、政策目的がまず違いますね。リフレ派は生活保護制度の重要性を指摘してきましたが、みわさんのような人からは政策目的の理解に乏しいリフレ批判しか出てきません。@alicewonder113

ブログレベルで、いままでの僕の生活保護、社会保障、貧困問題についてのブログエントリーをつぶやきます。これ何十回となくやってるのは、皆さんの多くも知ってるはずなのに、「リフレ派の生活保護への貢献が知りたい」みたいに改めていわれると本当に驚く。というか何度もやるしかないか。やれやれ。

リフレ政策(黒田・岩田日本銀行の大胆な金融緩和)に関係ないものまでしょわせて批判する悪質な言説について
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20130409#p1

荻上チキ『彼女たちの売春(ワリキリ) 社会からの斥力、出会い系の引力』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120916#p1

災害ディストピアを避けよ
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120916#p1

飯田泰之&雨宮処凛『脱貧困の経済学』(ちくま文庫)
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120906#p1

古市憲寿とネットの愉快な仲間たち:日本とイギリスの若年失業問題
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120904#p1

リフレ派の多くは生活保護バッシングのときもその誤解を正すことに頑張ったが、(無理にとはいわないが 笑)生活保護を論じる人や実践に携わる人からは、リフレ政策の批判しかきかないし、誤解もただしてくれない。例外は1、2名ほどだ。

生活保護問題対策全国会議編『間違いだらけの生活保護バッシング』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120831#p1

岩田正美「生活保護を縮小すれば、本当にそれで済むのか?」in『現代思想 特集 生活保護のリアル』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120828#p2

片山さつき・城繁幸・赤木智弘「本当に生活保護を受けるべきは誰か」in『Voice』八月号
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120828#p1

経済思想史からの生存権問題のエントリーはネットでも無視。そもそも岩田正美氏と会ったときも経済学者批判された。しかし経済学者でも生存権や貧困を問題にしている人は少数だけどいる。研究者自身が縦割りしてはダメだ。福田徳三の厚生闘争現代的意義
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120827#p2

昨日、一昨日ブログに書いた山田雄三の謡曲論、加藤寛の気賀健三論もちゃんと読めば、それが生存権や社会保障論の基礎のためにやっているとわかるはず。しかし誰もそんなの気が付かないw そして生活保護や貧困を声だかに言う人はリフレ批判のみ 笑。いいかげんい党派性を相対化してくれないかな?

赤松要の生存権の社会政策論
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120827#p3



さて、田中先生に触発されてか、飯田泰之さんも生活保護に対する思いを語ってくださいました。

飯田泰之 ‏@iida_yasuyuki
https://twitter.com/iida_yasuyuki/status/361802703367716865

ウチ(実家)の経済危機は3回.一度は5歳前後,親父の事業失敗で神宮前の家が無くなった.次は高3~大2.俺の学費出してくれてた叔父の死と祖母2人の死と親父の交通事故.3回目はM1のとき.父またも倒産やっとこさ生活費を稼いでいた母脳梗塞で俺院生.これは俺が稼いでなんとかなった…

そのたびに実家は生活保護を勧められた(民生委員がいい人だったみたい).ちなみに俺は1回目の危機のせいで形式上養子に出ているので,実母・実父の扶養についてそこまできつく言われたことは無いけど...父母とも生活保護のトラウマ性が原因で生活保護を断り続けたそうだ.

例の次長課長事件の時,おふくろに「あのとき生活保護うけなくてよかった.ヤスの将来を台無しにするところだった」って真剣に言われた...なんかいろんな意味で泣いた.生活保護受けるとその子供まで終わり...世の中はそういう受け止めかたなのね..

むしろだからこそ院生.もうその頃予備校で新卒リーマンの倍は稼げてたので.おそらく経済的に余裕があったら就職して他と思う.

正直自分は超運いいの.子供いない叔父が海城の学費だしてくれたし.大学行ったし,ペラ回るからなんとなく喰えちゃった.でもさ.ボタン一個掛け違えたらどうなってたかわからない.だから「生活保護に頼ったこともあったけど今は自立できて善かった」って世の中の方がずっとよいと思うんだ.

話を元に戻すと.事業の失敗はいつでも大変だけど...正直景気がいいとなんとかなったりするんよ.俺の場合は中華料理店やってた叔父さんが稼いでたので私立中高にいけた.景気が全般的に悪いとこういう身内セーフティーネットさえこわれちゃうんだ.

(好景気によって保たれる)身内セーフティネットなしでも大丈夫な公的扶助があったほうがいいのはわかるよ.で,良識派・市民派の人はすぐにそういう立派な公的扶助つくってくれるんかいな?? それとも遠い将来に出来るすばらしい社会保障のために今困っている人は捨て石になれというのかな..

以上のようなサンプル数1の話から……
1)安心して受けられる社会的セーフティーネットを! 
2)身内セーフティーネットを維持するために好況を! 
3)とりあえずコミュ力だけでも高めて死なないようにがんばろうぜ! 
というのが僕の基本スタンスです.

1)~3)は結構違うスタンスだと思われがちだけど,お互いにけなし合うんじゃなく,全部大切だよって言うべきだとおもうんよ.なんで遠くのホントの敵より近くのちょっと違う人と戦おうとするのかなぁ

iida_yasuyuki 2013-07-29 20:39:56
です.そこそこ稼いでいるとみんなそこそこ優しいですから... @sinto28112485 @sunafukin99 身内セーフティーネット…湯浅誠氏の言う、「溜め」ですね

iida_yasuyuki Jul 29, 8:51pm
ん~.でもいままでの自民・民主だと1)も2)もない人が多かったからなぁ @T_akagi



田中先生に対するみわさんの応答です。

miwa_chan
@hidetomitanaka ご言及ありがとうございます。マクロ経済学それほど詳しくなく、ぼちぼちと勉強中です。

@hidetomitanaka ご批判、慎んで受け止めます。リフレ政策の理解は困難です。「インフレターゲット設定」「消費税増税」からは反射的に「他の条件がまったく変わらなければ(→完全にそうということは、おそらくないのでしょうが)『生活苦しくなる』」と考える小市民です。

@hidetomitanaka リフレを批判しているつもりはありません。ただ現状、「それで、あなた方(低所得層)の生活がどうなるのか」が充分に説明されていない状況で、低所得層の方々が「生活が苦しくなる」という恐怖を抱いている現実があります。

@hidetomitanaka →余裕のない方々ほど、最悪の可能性を考えて、その最悪に備えざるを得ません。そのことを書いたつもりです。政策としては、マイルドインフレ誘導が最良なのではないかとは、かなり前から私も認識していましたが、現状はどうなのか。私も、理解しきれず不安です。

私は今、貧困や不況の犯人探しに、それほど大きな関心を持っていません。自分の小さな器でできることしかできません。@sinto28112485 @hidetomitanaka

@hidetomitanaka ご指摘に感謝申し上げます。もしまだ重版の下版に間に合うようでしたら、より誤解を招かない記述に修正します。

@hidetomitanaka →他にも気になる箇所がおありでしたら、忌憚なくおっしゃっていただけると助かります。今回の重版に間に合うかどうか分かりませんが、検討させていただきたく存じます。



さらに、なんばさんとkova41さんも応答を。

ナょωレよ″丶)ょぅすレナ ‏@rna
みわさんとのリフレの話ってこのへんだな。確かに今見ると噛み合ってないとこが残ったままかも。
https://twitter.com/rna/statuses/250111587036323840

デフレ下でも理論的には財政政策は効くはずだし、その一環として生活保護の支出を増やすのはアリだと思うけど、実際には今まで財政の効きが悪いというのと、日銀がデフレ政策とってる(当時)限り、効いたとしても日銀にブレーキ踏まれるのが見え見えだから、期待インフレ率も上がらないだろう、と。
https://twitter.com/rna/status/361809368347455488

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
.@rna わざわざありがとうございます。生活保護の問題は世の中のあらゆることと関わっています。リフレ政策は極めて優先順位の高い関連事項ですが、私にとってはさらに優先順位の高い「生活保護法改正案」などの問題が次から次に出てきます。身近に「やりくりをどうしよう」と悩む方々多数。

すべてを追い切るのはとても無理ですし、自分なりに「この側面はここまでしか負わない」という線を引かざるを得ません。不足については「ああ、その時点の限界だったんだな」と見ていただければ幸いです。あ。というか。せっかく重版の機会でした。まだ修正間に合うかな……。

ナょωレよ″丶)ょぅすレナ ‏@rna
@miwa_chan はい。今となっては本物のリフレ政策がスタートしたので、リフレの果実をどう再分配するかというのが僕らリフレ派にとっても最優先に近い位置付けです。ただ、安倍政権も爆弾抱えてまして、リフレ政策にブレーキかけようとする閣僚がいたりして、油断ならない部分もあります…

ナょωレよ″丶)ょぅすレナ ‏@rna
@miwa_chan 続き)それでピリピリしてる人もリフレ派の中にはいますので… 具体的にどんな記述が問題になっているのか把握してないので一般論になりますが、あまり気になさらずともよいかと…

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@rna 私に分からせようと懸命になってくださっていたのはわかりました。漏給対策の話のときも。ただ私は、「今、困窮状況にある人を速く数多く助けるためにはどうすればいいのか」から、どうしても発想してしまいます。「だから左」と言われれば、それまでですが。

ナょωレよ″丶)ょぅすレナ ‏@rna
@miwa_chan 左で全然構いませんよ!ていうか僕は左からリフレ派にたどり着いたクチですし…

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@638732 私はただ、ニュースに出てくることが何で、それが身の回りの何にどう影響するのか、知りたいのです。マクロ経済学は知っておくべきことだと、本当に思っています。ただ、センスがないんでしょうね。経済学の本を読み通せたことがありません。

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@rna モノカキ稼業のひとりの小市民としては、やきもきしながら「自分が生きていけますように、猫たちを守れますように」と願いつつ、成り行きを見守りつつ、少しずつでも勉強していくことしかできません。

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@kova41 @hidetomitanaka ありがとうございます。微力ながら、ご期待に沿えますようにと願っております。

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@kova41 だって、@hidetomitanaka 先生は、最後まで読んでくださってのご批判ですもの。きちんと読んで下さったことに感謝せずにはおれません。

kova41 ‏@kova41
@miwa_chan @hidetomitanaka  ありがとうございます。田中先生は、政策には苛烈な方ですが、意見のやりとりには優しい方だと、思っています。社会保障を専門に追いかけておられる方が、そのようにして、真剣に考えていただけるのが嬉しいです。よろしくお願いいたします。

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@kova41 @hidetomitanaka はい、よく存じ上げております。田中先生には、一度お目にかかったことがあります。覚えていらっしゃらないかもしれませんが。

kova41 ‏@kova41
@miwa_chan @hidetomitanaka  よろしくお願いいたします!困窮の中にいる人が、少しでも、一歩でも、安心できるような社会が作れるように、自分も考えていきたいと思います。

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@kova41 そうなんです。もしかすると、困窮して不安でいっぱいになっている方に言葉を尽くして政策を説明することには、意味はあまり無いのかもしれません。困窮そのものや不安が取り除かれて落ち着かれてからならともかく。@hidetomitanaka

kova41 ‏@kova41
@miwa_chan  仰る通りですね!頑張ってくださいね!

Yoshiko Miwa ‏@miwa_chan
@kova41 ありがとうございます。それではまた。



その前後で、TL上に流れた関連ツイートです。
これらを見れば、少なくとも私のツイッター上のリフレ派は、再分配に積極的で、生活保護に対しても普遍主義的な視点で考えていることがわかるのではないかと思います。

@kamaaca
http://twitter.com/kamaaca/status/361807880200011777

おれも似たようなもん。大3で父親の会社つぶれて仕送り止まったけど、行ってた教会のおじさんおばさんたちが割りのいいバイト紹介してくれたし、伯父の援助もあったから大学1年留年することすら可能だった。家には処分できる土地家屋もあったから、生活保護は選択肢になかった。

「溜め」が少ないひとたちにとって生活保護にすぐアクセスできるかどうかはものすごく重要だとおもうよ。



@hatenademian: デフレ不況からの脱却と、生活保護なと再分配政策、雇用について論じてる本の代表例が「脱貧困の経済学」

hatenademian Jul 29, 8:59pm
http://twitter.com/hatenademian/status/361818291804708865
あれなんだよなあ。貧困や再分配について問題意識を持ってるライターの方による、飯田先生の本と田中先生の本と片岡剛士さんの本をきちんと読んだ上で、というような批判て見たことがないような…。

貧困や失業に苦しむ人が少しでも減るように、再分配もしっかりやろう、というスタンスのクルーグマンやスティグリッツがなぜ日本が金融緩和でデフレ脱却を目指すことをいいことだとしているのか。彼らの価値観からすると安倍政権て相反するところもあるだろうけど、でもそこは評してるんですよね。



shinchanchi Jul 29, 9:37pm
140文字の罠?縄?リフレと再分配、アイドルを同時に尊重しないと村長落選? “@tadataru: 俺はリフレという考え方があると知ってから生活保護バッシング(不正受給に関してだが)をやめたクチなんだが、なんで生活保護叩きの件でリフレが責められてるのかよくわからない。”



@kamaacaさんは、蒲田アカデミアで「脱貧困のためのリフレ入門」的な企画をしてみるそうです。期待!



参考文献
脱貧困の経済学 (ちくま文庫)脱貧困の経済学 (ちくま文庫)
(2012/09/10)
飯田 泰之、雨宮 処凛 他

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来年4月の消費税増税に反対すべき理由「ケインズ的分析」

現政権は、2014年4月の消費税増税(5%から8%)について、今年の10月頃判断する、と伝えられています。
多くの人が、もうこの決定は変えられないだろう、と悲観的な見方をしています。
しかし、ギリギリまで反論をとなえていく必要があるでしょう。

どうしてこのタイミングでの消費税増税が最悪になるのか、内閣官房参与の浜田宏一さんのつぶやきをきっかけに、田中秀臣さんがブログエントリを書かれました。

[経済]浜田宏一先生の消費税問題についてのつぶやき

これを人にうまく説明できるように、もう少し自分のことばでかみくだいてみました。

◆◆◆

日本は不完全雇用状態にあります。働きたいのに職が見つからない人が、まだまだ多いのです。日本の状況で完全雇用というには、少なくとも失業率が3%台前半にならないと、そうとは言えません。アメリカの7%台と単純に比べては、状況を正しく把握できません。

浜田先生「不完全雇用の元ではケインズ的な分析が有効でしょう。」
田中先生「ケインズ的な分析によれば、増税は有効需要を減少させ、不完全雇用を増加させてしまいます。」



「ケインズ的な分析」とはどういうことでしょうか。

「有効需要を減少させ、不完全雇用を増加させ」る。

この文章は何を言っているのでしょうか。

これは、人々が「先行きどうもお金のことが不安だから使わないでおこう」と考えている状態のことを説明しています。
この状態では、企業も投資を控えます。新規雇用もしないばかりか、生産を控え、コストカットを断行して、解雇すら行われるようになります。
こうなると世の中に十分に雇用が生まれなくなります。
そして企業は内部留保を貯め込むようになります。

(ところで、需要というのは最終消費者が物を買うことだけではなく、企業が設備投資することも含まれます。)

このネガティブスパイラルを転換する、最初のきっかけは、何かあるでしょうか?

二つのきっかけが考えられています。
(1)デフレであってもお金を使うよう、人々のマインドが変わるまで待つ
(2)国策によるインフレターゲットの設定

●世代変わるまで待つ?

たとえデフレでも人々がお金を使うような風潮になり、放っておいても金持ちが消費し、企業が投資するようになる。そもそもこれは非現実的ですが、もし実現するとしても、世代が変わるまで待たなければいけないかも知れません。

ここで、「金を使わない金持ち」「設備投資しない企業」だけを責めていても始まりません。経済成長を厭う人々も、デフレの継続に加担しています。

たとえば正社員で、そこそこ給料がもらえている人が「人間は贅沢してはいかん。経済成長などもう不要」と信じていたら、その人は一生考えを変えない可能性が高い。

何しろその人は、社会が経済成長しなくても何とか食っていけて、年金もそれなりにもらえるのですから。経済成長がないと職さえ得られない人のことについては「格差がいかん」とだけ言って、どうしたら具体的にそれを変えられるかも考えないで済ませてしまうのです。

もしくは、まったく非現実的な方法しか提案しない。非現実的だから実現しないのに、「世の中がわるい」としか考えない。こういう人は一生このままで、ネガティブマインドを変えることはないと思われます。

…ちょっと言い過ぎました。

サヨク頑固オヤジオバサンへのdisはともかく、一般的に人は、生活態度や価値観を変えることは極めて難しい。世代が変わるまで待たなければいけないというのはそういう意味です。

●人々の期待を変える

ネガティブスパイラルを転換するにはもう一つの方法があります。

国策として、インフレターゲットを設定することです。国が責任を持って、インフレ率を少しプラスに保つのです。国としてインフレ率が一定に保たれるように責任を持つと言明することは、人々のマインドを一気に変える効果があります。

先行き経済が良くなりそうだ、という予測によって、需要が増加します。

需要というのは最終消費者がモノを買うということだけでなく、企業の設備投資も含まれるので、設備投資が増えれば需要が増えることになります。

こういう風に、「予測が需要を増やしたり減らしたりする」ことを前提にした上で、これまでの日本の20年間のような状況を「需要(人々が物を買ったり、企業が設備投資する)が不足しているので景気が悪い」と分析すること、それが「ケインズ的分析」と呼ばれています。

こういう状態のときに増税すると、「増税で使えるお金が減るから、もっと節約しなければいけない」となって、人々が物を買わなくなる。つまり有効需要不足が一層厳しくなる。需要がないから、企業は投資をしなくなり、生産を絞るから雇用も減ってしまう。

永遠に増税するなと言っているわけではないのです。景気が十分に良くなった上で、その事実を確認してから増税するのは、話が別です。

5%から8%への消費税増税が予定されている2014年4月は、20年間も不況が続いてきたところに、ようやく人々の予測を変える政策が出て、ほんの1年3カ月です。

そんな短期間で、20年間のデフレスパイラルの脱却を判定できるものでしょうか?

わたしは大変不安です。

また就職先が減るでしょう。

わたしは来年3月までの有期雇用なので、その頃、もし雇用が減っていたら、と考えるとぞっとします。

別にそれでもいいというあなたは、正社員なんでしょうか?

どうか、世の中にあふれている失業者が、まずは働けるように、雇用が世の中に増えて、定着するように考えてください。

そして、あなたの知らないところにいる、ギリギリの暮らしをしている人々が、少しは良い食べ物を料理する余裕を持ったり、娯楽を楽しみ、暮らしを良くすることができるように、そして税金をおさめ、それが、ギリギリですら暮らせない人への支援に回るように、もっとも現実的な方策を理解し、どのような政権であってもその政策(リフレ政策)を実行していけるよう、考えていきましょう。


70年代の亡霊

ちょっと前のことだが、6月1日に、左派思想に詳しくかつリフレ派の松尾匡さんが、朝日カルチャーセンターで『「右」と「左」を問い直す-これからの本当の対決軸とは』と題して講演すると知り、受講料がちょっとお高くて迷っていたものの、直前に決心して思い切って出かけた。
その講演にはとても感銘を受けて、それ以降、いつも頭の片隅に引っかかっている。

まとめたものはこちら。「右」と「左」を問い直す - これからの本当の対決軸とは

今日、ねずみ王様が小沢一郎についていくつかツイートしているのに興味を惹かれた。

yeuxqui 7:38pm via TweetDeck
わたしはメディア周辺の人びとの小沢一郎への憎悪をうまく理解できないでいた。一時は、アメリカに楯突いたからだと考えてもみたが、いまひとつ納得できないものがあった。彼は要するに裏切り者だったのだ。
http://twitter.com/yeuxqui/status/356724798845501440

おそらくメディア周辺の人びとにとってもっとも大切な故郷を破壊しようとしたのだろう。かつて蓮實重彦が、改革と連呼する人間がやっているのは、何も変えないために変えることだと述べたことがあるが、おそらく彼が破壊しようとしたのは、変えたくなかった何かだったのだろう。

そう考えるとあの理屈を越えた成分の幾ばくかは理解できるような気もする。

小沢一郎という政治家にたいして、それほどの興味はなかった。興味を持ちだしたのは最近だ。それはメディア周辺(あるいは「東京」と一致するような気もする)からあれほどの憎悪をぶつけられるようになったのかがまるで分からなかったからだ。性格的に難のある権力など掃いて捨てるほど存在したはずだ


王様のつぶやきは一面を捉えていると思う。

だけど、改めて小沢氏について考えると、わたしの頭に浮かんでくるのは松尾さんの講演の内容だった。

松尾さんによれば、ハイエクやフリードマンらは、70年代までに行き詰った国家主導体制を批判して、こういうことを考え付いた。

ハイエクの考えた国家の役割
(1)国家は民法などの取引ルールを整備する(労働保護基準も含む)
(2)否定したのは政治家や官僚の胸三寸の判断。→民間人が予想可能なルールへ。
(3)リスクのあることは民間の現場の判断と責任⇔公共は民間人の不確実性を減らす役目=民間人の予想の確定。

フリードマンの考えた国家の役割
(1)ダメなのは政策当局者の胸三寸に任された政策(成長分野の支援策などは典型)
(2)提唱したのは、民間人の予想を確定するルール ← ハイエクの主張と同じ

そしてもう一つ思い出すのが、Open Government Participationの動画と、最後に現れる「Transparency+Participation=Accountability」というテロップ。

この動画でイメージされているものは、おそらく我々が向かっているところで、その流れを止めようとしても止まらないものだと思う。資本主義や市場経済がとうとう止まらなかったように。

小沢氏が嫌われたのは、この「70年代的国家主導体制から脱却し、透明性が確保された政府/国家へ」という流れと関係しているのではないだろうか。

小沢氏は密室談合的なものをいまだに体現した政治家なんではないかと思う。それは、氏が福一事故後ずいぶん経ってから、脱原発への態度表明をしたタイミングを見て、うっすらと感じていたのだが、その時はそれよりもむしろ、「最も効果的なタイミングを見ていたのだ、さすが小沢だ」と思っていた。

その後リフレ政策に注目するようになってから、小沢や鳩山が実は日銀法改正を考えていたりとか、マクロ経済を理解しているような言動をしたことがあると聞き、小沢はなぜリフレを打ち出さないのだろう、と不思議に思っていた。

その時ふと、かつて福一事故の1年後ぐらいだったか、年末に小沢氏が支持者との座談会で、核廃棄物処理の不可能性に言及したと聞いて、なぜ彼ははっきりと脱原発を打ち出さないのだろう、と不思議がったことを思い出した。

参院選挙直前の今、生活の党は政策に金融緩和をうたっているのに、小沢は「円安は庶民の敵だ」と演説する。彼にとっては安倍をまず倒すことが必要で、その間、政策については人々に誤解させたままにしていても構わないのだ、としか思えない。

マスコミも、彼を嫌う人も、そういった彼の曖昧さや、得体の知れなさが嫌いなのではないかと思う。言って見れば彼は、70年代的な最後の政治家なんじゃないだろうか。

これから、「透明性」はますます求められるだろう。ある意味、安倍や橋下などの「わかりやすさ」は、「透明性」への追及から起こる副作用のようなものなのかも知れない。


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Author:アリス
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