ハンス・ロスリングによるプレゼン書き起こし『最高の統計を披露』

スウェーデンの公衆衛生学者ハンス・ロスリング氏の講演に非常に感銘を受けたので、字幕から書き起こしをしました。

ロスリング氏の主張は、「自由にアクセスできる公共統計の利用と理解を高めることにより“事実に基づいた世界観”を促進すること」それが、今後の世界にとって非常に重要だということです。そこで、「国際統計を動的でインタラクティブで楽しめるグラフィック」を作成し、自ら素晴らしいウィットに富んだプレゼンテーションで、“事実に基づいた世界観”を見事に描き出してくれます。(参考:Wikipedia/ハンス・ロスリング

20分ほどのプレゼンです。
ところどころに開始時刻を()に入れてあります。

視覚的なグラフ、アニメーションの威力を実感できると思います。



TEDのサイトはこちら

統計アプリ(Gapminder)のサイトはこちら

<以下、書き起こし>※強調は筆者による

10年ほど前、私はスウェーデンの学生に、世界の発展について教える仕事に就きました。
私がアフリカの機関と一緒に、20年ほどアフリカの飢餓の研究をしていたので、世界のことを少しは知っていると期待したのでしょう。
医科大であるカロリンスカ研究所で、「世界保健」という学部の授業を持つことになりました。
しかしやる段になって、不安になりました。
スウェーデンでも最も成績優秀な学生たちが相手です。
私が教える事なんかみんな知っているのではないかと思いました。
そこで最初に小テストをやることにしました。
その時の質問は私に多くのことを教えてくれました。

“この5組のそれぞれについて乳幼児死亡率が高い方を選べ”
各組は一方が他方よりも2倍以上、乳幼児死亡率が高くなるように選んであります。
差異がデータの誤差よりずっと大きくなるようにしたのです。
別に皆さんをテストはしません。
答えはトルコ、ポーランド、ロシア、パキスタン、南アフリカです。
信頼区間はごく狭く、私にはありがたい結果でした。
5点満点で1.8です。これなら、世界保健の教授の居場所があります。
しかし、その結果について、本当に理解したのは、夜遅く、その答案をまとめている時でした。
スウェーデンのトップの学生の世界の知識は、統計的有意にチンパンジーより低いということです。
チンパンジーは、バナナを2本もやれば、スリランカかトルコか半分は正しい方を選ぶでしょう。
スウェーデンの学生はもっと下です。
問題は無知ではなく、先入観です。
私はカロリンスカ研究所の教授にも非倫理的な調査を行いました。
ノーベル医学賞を授与する人たちが、チンパンジー並みだったのです。

コミュニケーションの必要性を実感しました。
世界各国の子供の健康水準についてはよく整ったデータがあるからです。

(2:27)
それでご覧のようなソフトを作りました。
丸はそれぞれ国を表しています。
これは中国でこれはインドです。
円の大きさは人口を表し、横軸は出生率です。

学生たちが世界をどう捉えているのか、彼らに聞いてみました。
“世界を実際どう思っているの?”
彼らの知識は「タンタンの冒険旅行」から来ているのが分かりました。
学生たちはいまだ世界を「我々」と「彼ら」に分け、我々「西欧世界」彼ら「第三世界」と考えています。

私は聞きました“その「西欧世界」というのは何?”
“長生きで小家族なのがそうです。短命で大家族なのが第三世界です”

(3:10)
これをご覧ください。横軸は出生率 女性1人当たりの子どもの数です。
1人、2人、3人、4人から8人まで。
1962年以降の各国の家族の大きさについてはとても良いデータがあります。
誤差はわずかです。縦軸は出生時平均余命です。
30歳くらいから上は70歳くらいまであります。
1962年には実際こういう国のグループがありました。
工業国は小家族で長寿です。
そしてこっちは発展途上国。
大家族で比較的短命でした。
そして1962年以降何が起きたのか?変化を見てみましょう。
学生たちは正しく、今も2種類の国があるのでしょうか?
それとも発展途上国が小家族になってこの辺にいるのか?
あるいは長寿になってこの上にいるのか?見てみましょう。
データには利用可能な国連の統計を使っています。
では見てみましょう。
これは中国。より健康な社会へと改善していきます。
緑のラテンアメリカ諸国が小家族に向かっています。
黄色いのはアラブ諸国です。寿命が延びています。
緑色のアフリカはこの場に留まったままです。
インドにインドネシア とても速く動いています。
80年代に入ります。
バングラデシュはずっとアフリカ諸国といっしょでしたが、ここで奇跡が起きます。
イマームが家族計画を推進し、左上に上がっていきます。
90年代にひどいHIVの流行があり、アフリカ諸国の平均余命が下がります。
残りの国はみな左上へと進んでいきます。
長寿で小家族。私たちの世界は全く違ったものになったのです。

(4:55 INSTANT REPLAY)

米国とベトナムとを比較してみましょう。
1964年、米国は小家族で長寿。一方ベトナムは大家族で短命です。その後こうなります。

(5:18)

戦争中のデータを見ると、戦争による多くの死者にも関わらず、平均余命が延びています。戦争が終わる頃に、ベトナムで家族計画が始まり、小家族に向かいます。米国は長寿で小さな家族を保っています。
ベトナムは80年代に、計画経済を捨てて市場経済になり、社会水準の向上が加速します。そして今日、2003年のベトナムの平均余命と、家族の大きさは、ベトナム戦争末、1974年の米国と同じ水準になりました。
データを見なければ、我々は、アジアの著しい変化を過小評価することになります。
アジアでは経済の変化の前に社会の変化が現れています。

(6:10)
別な見方をしてみましょう。世界の所得の分布です。
これは世界の人々の所得の分配を示しています。
世帯1日当たり1ドル、10ドル、100ドルです。
もはや豊かな国と貧しい国の間にギャップはありません。神話です。
小さな谷がありますが、ずっと途切れなく分布しています。
所得がどういう配分になっているか見てみましょう。
これが世界の年間所得の100%です。最も豊かな20%が74%を手にしています。そして最も貧しい20%が2%を手にしています。
これを見ると、発展途上国という概念は、非常に疑わしいことが分かります。
援助について考えるとき、私たちはここの人たちがここの人たちを助けていると思っています。しかし真ん中の最も人口の多い部分が今や24%の所得を得ているのです。この人たちは誰なのでしょう?
それぞれの国はどこにあたるのでしょう?
まずアフリカです。
これがアフリカ。
世界の人口の10%で、大部分が貧困です。
これはOECD諸国。豊かな国々。国連のカントリークラブです。
この部分で、アフリカとOECDの間に結構重なりがあります。

これは南アメリカ。
最貧から最富裕まで全部そろっています。
さらに重ねて、東欧、東アジア、南アジア。
時間を1970年まで戻します。
谷が深くなっています。
極貧生活をしている人はアジアに多くいました。
世界の問題はアジアの貧困だったのです。
時間を進めていくと、人口が増加していき、アジアでは何億という人々が貧困から抜け出し、別なところで、貧困が進みます。
これが現在のパターンです。
世界銀行による最良の予測では、この後こうなります。
世界は分断されておらず、ほとんどの人が真ん中にいます。
これはもちろん対数目盛です。
私たちの経済の概念では成長をパーセントではかります。
割合がどう発展するかを見るのです。
横軸を世帯収入から1人当たりのGDPに変えましょう。
それぞれのデータを地域のGDPに変えます。
円の大きさは人口です。
OECDがここで、サハラ以南のアフリカがここです。
アラブ諸国をアフリカやアジアと分けて別にしましょう。
横軸を引き伸ばし次元をもう1つ追加します。
子供の生存率です。
横軸がおカネで縦軸が子供の生き残る可能性です。
ある国々では99.7%の子どもが5歳以上まで生きられます。
一方70%の国々もあります。ここにギャップがあるように見えます。
OECD、南アメリカ、東欧、東アジア、アラブ諸国、南アジア、サハラ以南のアフリカ
子どもの生存率とおカネの間には強い相関があります。
サハラ以南のアフリカをバラしてみましょう。縦軸が保健の水準で、上に行くほど良いということです。
サハラ以南アフリカを国に分けました。
それぞれの円の大きさは国の人口を表しています。
シエラレオネがここ、モーリシャスがあそこにあります。
モーリシャスは貿易障壁を最初に解除した国で、砂糖や繊維製品を欧米と対等な条件で売ることができます。
アフリカの国の間にも大きな差があるのです。
ガーナは真ん中あたり。シエラレオネは人道支援を受けています。
ウガンダは開発支援を受けています。投資という意味で。
(モーリシャスを指して)ここでは休暇を過ごせます。
アフリカには大きな幅があるのに私たちは一緒くたにしています。

(10:20)
南アジアを分割してみましょう。真ん中の大きな円がインドです。
アフガニスタンとスリランカでは大変大きな違いがあります。
アラブ諸国を分割してみましょう。どうなるでしょう?
気候、文化、宗教が同じでも、大きな違いがあります。
隣国同士でも。
イエメンは内戦、
アラブ首長国連邦では、外国人、労働者の子どもも含め、おカネが平等にうまく使われています。
私たちが信じているのとは異なっています。

データはみんなが思うより有効なのです。不確実な部分があるにしても。
はっきりした差が見られます。
このカンボジアとシンガポールの差は、データの弱い部分の問題をはるかに超えています。
東欧は長い間ソビエト経済下にありましたが、離脱して10年、大きく変わっています。
南米も。
今や健康な国はキューバだけではありません。
チリは数年のうちに子供の死亡率の低さでキューバを抜きそうです。
こちらは高所得なOECD諸国です。
これが世界全体のパターンです。だいたいこんな感じになっています。

(11:35)
1960年の世界を見てみましょう。動き始めます。
これは毛沢東です。中国に「健康」をもたらしました。
彼の死後、鄧小平が出てきて中国におカネをもたらし、中国を本流に再び合流させました。
このようにそれぞれの国が違った方向に動いています。
ですから典型的なパターンを示す国の例を挙げるというのは難しいのです。
また1960年に戻しましょう。
ここにある韓国と、こちらにあるブラジルを比較してみましょう。
比較のためウガンダも入れましょう。
時間を進めます。
韓国がいかに速く進歩しているか分かるでしょう。
それに比べるとブラジルはずっとゆっくりです。
また最初に戻って、航跡表示をオンにして、もう一度実行すると、発展の速度が大きく異なるのが分かります。
そして経済と健康は、だいたいのところ同じ割合で変化しています。
しかし経済より保健が先に来る場合に動きがずっと速いのが分かります。
それが良くわかるようにアラブ首長国連邦を加えてみましょう。
資源の豊かな国です。石油でおカネはできましたが、健康をスーパーマーケットで買うことはできません。
健康に投資し、子どもたちを学校で教えなければなりません。
医療スタッフを育て、国民を教育しなければなりません。

首長ザーイドはこれをかなりうまくやりました。
石油価格の下落にも関わらず、この国をここまで引き上げたのです。
だから世界の主流の状況としては、各国は昔に比べて、おカネをうまく使うようになっています。
これは各国をその平均で見た場合です。
でも平均データを使うのは危険があります。
国の中にも大きな差があるからです。これを見ると、現在のウガンダは
1960年に韓国がいた場所にいます。
ウガンダを分けると、国内に大きな差があります。
ウガンダで最も富裕な20%がここ。
最も貧しい層はここです。南アフリカを分けるとこんな感じです。
最近ひどい飢饉のあったニジェールを見てみましょう。
ニジェールの最貧の20%はここで、南アフリカの最も豊かな20%はここです。
それなのに私たちはアフリカに対する解決策はどうあるべきかと議論しています。
アフリカには世界のすべてがあります。
HIV対策について、こっちの20%と一緒の議論をこっちの20%にはできないのです。
世界の改善は、それぞれのコンテキストに合わせる必要があり、大きな地域でくくるのは不適切です。細かくやらなきゃいけません。

(14:50)
このツールを使わせると、学生がとてもワクワクするのに気づきました。
政策立案者や企業もまた、世界の変化を知りたがっています。
ではなぜそれが実現しないのでしょう?
なぜ既に持っているデータを使おうとしないのか?
国連も、国の統計機関も、大学も、その他の非政府組織も
データを持っているというのに。
それはデータが隠されているからです。
一般の人々が使えるインターネットがあるというのに、
データは有効に使われていません。
私たちが見てきた世界の変化を示す情報に、
公的にアクセスできるものはありません。ある種のウェブページはあります。
データベースから養分を取っているわけですが、
高い値段を付け、変なパスワードをかけ、退屈な統計データを表示するだけです。
これではうまくいきません。
何が必要なのか?データベースはあります。
新しいデータベースが必要なわけではありません。
素晴らしいデザインツールもあり、どんどん増えています。
ですから私たちは、データをデザインに結びつける非営利のベンチャーを始めました。
Gapminderです。ロンドン地下鉄の"MIND THE GAP"(隙間にご注意ください)から名前を取りました。
私たちはデータをつなげられるソフトを作り始めました。
そんなに難しくはありません。数人年です。
それでデータを引き出し、アニメーションできるようになりました。
いくつか国連機関のデータも解放しました。
いくつかの国は、データを世界に公開することに同意しています。
しかし本当に必要なのは検索機能です。
データを検索可能な形にして公開し、自由に検索できるようにしなければなりません。
そのために世界を回って。どんな言葉を耳にするでしょう?
私は統計機関の人類学に詳しくなりました。
みんな同じことを言います。
“不可能です。うちの情報は特殊ですから”
“よそのデータのように検索可能にするのは無理です”
“学生や世界の起業家にデータを無料で提供はできません”
しかし、それを実現したいではありませんか。
公的資金によるデータがここにあり、
それがネットで花開くのを見たいでしょう。
肝心なのは、データを検索可能にし、様々なデザインツールを使い、
絵として見られるようにすることです
良い知らせがあります。国連統計局の新局長は、
不可能だとは言いません。
彼はただ、“我々には無理です”というだけです。
なかなか頭の良い人ですよね?

今後数年で、データの方面で多くのことが起こるでしょう。
所得分布をまったく違った方法で見られるようになるでしょう。

(17:35)
紫は1970年の中国の所得分布で、
水色は1970年の米国の所得分布です。
ほとんど重なりはありません。その後どうなったでしょう?
こうなります。中国は成長し、平等ではなくなっていきます。
そしてこのような位置に、米国のすぐ背後に迫っています。
なんだかお化けのようですね。

このような情報を持つのは大変重要だと思います。
本当に、見る必要があります。
最後に、1000人当たりのインターネットユーザ数をご覧いただきましょう。
このソフトを使うと、世界の国々の500種のデータに容易にアクセスできます。
画面の切り替えに若干時間がかかりますが、縦軸と横軸に好きなデータを選択できます。
必要なのはデータベースを無料化し、検索可能にすることで、そうすればクリックするだけで、グラフに変えて、
即座に理解できるようになります。
統計学者はこういうのを気に入りません。
現実を表していないと言います。
統計的、分析的手法を使うべきだと言います。
しかし、これで仮説生成ができるのです。
インターネットが現れ、インターネットにアクセスする。
ユーザー数が増えていきます。横軸は1人あたりのGDPです。
新しく登場した技術ですが、それが驚くほど国の経済力に対応しています。
だからこそ100ドルPCが重要なのです
ここには良い傾向が見えます。
世界がフラットになっているかのようです

これらの国々は経済以上に上昇しており、今後どうなるか興味深い所です。
みんながすべての公的データを使えるようになることを願っています。
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左傾化するアメリカ

日本では、10月初めにも消費税増税するかどうか決まるということで、騒がしくなっている。増税は、もちろんするのだ―いずれ、何らかの形式で。しかし、今ではないはずだ。景気がようやく上向きかけたところだ。まだ安定した成長軌道に乗らないうちに、給料も上がらないうちに、増税をすれば、消費が冷え込み、景気はまた水面下に沈んでしまうだろう。増税も虚しく税収は低下し、社会保障が厳しくなる。

官僚に押されて、どうしても増税ということになった場合には、国債の発行でしのぐしかないだろう。財政再建は先になるが、人々の貧困と格差を増やして社会を不安定にするよりは、早く安定軌道に乗せるために仕方があるまい。

前置きが長くなってしまった。今日書きたかったのはアメリカの左傾化についてだ。

11月5日に、ニューヨーク市長選がある。12年続いたブルームバーグ市政が、任期満了で終わる。次は誰か。民主党候補は、ビル・デブラシオ市政監督官で、最近の世論調査では、対立候補の共和党ジョー・ロタを65%対22%と、大きく引き離している。

デブラシオ氏はリベラル派で、病院閉鎖の回避や黒人や中南米人を狙いうちにした警察の捜査手法に制限を加えるなど、富裕層と貧困層という「市の両極」に向き合うと公約している。
ロイター:米NY市長選、デブラシオ民主党候補がリード=世論調査


デブラシオ氏は高所得層に対する増税を求める民主党リベラル派で、富裕層と貧困層の格差が拡大しているとして「二都物語(ディケンズの小説のタイトルのもじり)」だとしばしば表現してきた。

これに対し、ブルームバーグ市長のスポークスマンは(略)「ニューヨーク市民にとって重要なのは以下の数字だ。史上最低の犯罪、史上最高の大学卒業率、記録的な雇用、過去最高の寿命、そして60年以上で初めて市への流入人口が流出人口を上回っていることだ。それは現市長のリーダーシップの下でニューヨークの人々が感じている生活への強力な追認だ」としている。
ウォールストリートジャーナル:変化求めるNY市民―市長選世論調査で民主党デブラシオ候補がリード


このスポークスマンの口上は、前のエントリでご紹介した、著名経済学者タイラー・コーエンの言葉を彷彿とさせる…。
まぁ、それはともかく。WSJからの引用を続ける。

だが世論調査によると、次期市長はブルームバーグ氏の政策を継続すべきだと回答した登録有権者はわずか4分の1にとどまった。一方、「市を異なった方向に向けたい」との回答は68%に達した。

また、ニューヨーク市は正しい方向に向かっていると回答した有権者の比率は減少。2012年11月の調査では61%が正しい方向だと回答していたが、今回の調査では46%にとどまっており、悪い方向に向かっているとの回答は43%となった。

それでも、過去20年間で状況は良くなったとの回答は明確に過半数を上回った。


暮らしは良くなってきているというのに、今後は変わらなければならないという、この世論は何だろうか。

手がかりはおそらく、この記事にある。The Rise of the New New Left(新・新左派の台頭)

2000年を迎える頃に、学校を卒業し就職する年頃になったアメリカの若者たちは、長引く不況と拡大する格差の中で、より社会主義的な政策を求める傾向が強くなっている。小さい政府ではなく、大きな政府を求めているというのだ。そして、もう一つの特徴として、彼らは人種や民族の多様性を受け入れ、性的マイノリティに対しても受容的であるという。つまり、よりリベラルになっている。

2011年、ウォールストリートで、オキュパイ運動が起こった。その時の参加者は、若く、高学歴で、奨学金の負債を抱え、過去5年間に失職や解雇の経験があった。

オキュパイ運動による公園の占拠は、ほどなくして解除されたが、その運動のミームは広まり、確実に人々の考え方を変えてきている。

アメリカで最も裕福な都市ニューヨークで、人々が大きな政府と、より積極的な再分配と、格差の縮小を求める。
そんな都市の空気が、オキュパイ運動のミームが、ビル・デブラシオの市政を求めているのだろう。

レーガンからクリントン、そしてオバマまで、この30年間、アメリカは小さな政府を良しとしてきた。そのアメリカが、巨大な資本主義の体で、より社会主義的な国家へと向きを変えようとしている。

また、同時にリベラルへの傾向が強まっている。

昨日、東京でも人種差別撤廃を訴える「東京大行進」があった。日本でも、新しいリベラルの空気が生まれつつある。単に反戦や九条護憲を叫ぶだけでない(それはそれで重要だけれども)、まったく語義通りのリベラルだ。民族や人種、個人個人の差異を認め、共存を志向するリベラルである。

インターネットで、情報が瞬時に世界中に伝わる時代、社会が向く方向も同期しやすくなっているかもしれない。

日本と同じぐらい小さな政府であり、世界でもっとも新自由主義的である国、リベラルと保守が長く綱引きをしているアメリカの、ニューヨーク市長選に注目したい。

テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

(メモ)なんばさんの実況によるみわさんVS.片山さん対決

ナょωレよ″丶)ょぅすレナ ‏@rna
あ、今BSフジでみわvs片山やってるのか
https://twitter.com/rna/status/362161349108838402

ちょっと今見る気力ない…あとで録画見ます…
といいつつテレビつけた。なんか消費税の話してるな。
なんでこうも金融政策の効きを信用しないのかねこの人たちは?>自民党議員
CMが金持ち向けでワロタ
来たぞ。生活保護特集。BSフジ。
お、例のメッセージクロスが
お、みわさん登場。
@sakanazuki_ntk 生放送でサイトから意見拾うみたいなので…
https://ssl.bsfuji.tv/form/j01/form/primenews_opinion.html
片山。生活保護の国際比較の表を出して日本は高いと。諸外国は最低賃金の月収より低くしてると。
片山氏。デフレ分減らすことも言ってるけどそこはあまり強調したくない雰囲気。みわ氏が反論用意してるの知ってるからかな?
みわ氏のターン。1)物価下落の計算方法に疑問 2)一般所得との比較は所得税の基礎控除分が最低生活費と同じ意味合いだがそれより生活保護費は低い(ということ? 趣旨がいまいちわからなかった) 3)、、、ききのがした(;´Д`)
長友氏。統計上の所得一番低い層が本当に最低限度の生活してるのか、足りてないのでは、みたいな話。
片山氏、NHK受信料も除いてますし、って言ってるけど、TV持ってない人もいるぞー。
片山氏、自立支援が生活保護、って言ってるのはタテマエとしてはそうだけど年寄りや障害者が最低賃金以上働けるの?
大塚氏。生活保護の今の基準は田中角栄のバラマキに由来するみたいなこと言ってる。
長友氏。高齢者の貧困率が高くなっている。年金が厳しくなってるから。
片山氏、医療費ただだから過剰診療になってる、特に高齢者が。PETとか使ってる、と。
あ、大塚氏は民主党か。。。
自民・民主なかよく福祉削減を訴えてるのか。
長友氏。単身の後期高齢者、主に女性が、年金で生活できなくなり生活保護に。年金改革が必要。
みわ氏。医療扶助が増えるのは高齢化の問題というのはその通りだが、過剰医療の話は取材してもほとんどきかない、むしろ、なかなか医者にいけない人が多い。連続して通院じゃない場合は、福祉事務所に申し出ないと医者にいけない。

>生田 瞬 ‏@shishitou43
>@rna デフレ分と言っても、食品と電化製品でえらい違いやぞ。
@shishitou43 そそ、そこがみわさんの論点のはずだけど、あまり言えてないままターンが回ってしまった漢字でした。

みわ氏、入院費が多い、入院が必要なのはしょうがないんじゃないか。片山氏、入院者が全部生活保護者の病院を監査で洗い出している。
長友氏、それ(不正?)は受給者の問題じゃなくて医療機関の問題。
みわ氏。精神科の社会的入院が問題ではないか。入院より生活保護を受けながら社会生活した方が本人のためだし安上がりにもなる。
片山氏、そこに自立支援の話を繋げたけど、繋がりが無理矢理なような。
片山氏、女性のケースワーカーが男性の怖い人に対応できない、という例を挙げて、チェックが足りないと…
逆の話の方が多くないか?

>ぼん ‏@Bong_Lee
>順にそう思う。“@rna: 逆の話の方が多くないか?”
@Bong_Lee 女性受給者の話聞く機会が多いせいもあるけど、ほんとそう。みんなそうというわけでもなくて当たり外れの問題ではあるけれど、外れが辛いのは男性ケースワーカー&女性受給者のがキツそう。

長友氏、生活保護の補足率(生活保護を必要としてる人が受給してる割合)について厚労省調査では補足できてるのは32%、世界的にも低いと。

お便り。日本は申請主義なので捕捉率が低いのでは、とのこと。
みわ氏。日本は国連社会権規約委員から捕捉率低いことをツッコまれてる、スティグマ(生活保護を受けると二級市民扱い)が問題と指摘されている。
みわ氏。「生活保護手帳」を紹介。ケースワーカーが全員持ってる公式ルールブック。別冊の問答集もあるとか。
長友氏。福祉のために国民負担率を上げるのは仕方がない、消費税は上げても社会保障に実際に反映されているか不透明。その不信感があるから消費税増税は理解されないだろう。
片山氏。消費税より多くの額を福祉に使ってるからその理屈はおかしい、と。
いや、それ総額の話のような…? 問題は、上げた差分に応じて上がったか、って話ではないかと思う。
というか、デフレで福祉需要が増えて総額自体が上がったのを指してるのなら、消費税上げた分福祉を充実させたって話にはならんよね。
片山氏、生活保護法改正案、自公案に戻して提出することはない、とのこと。
片山氏、働ける世代が働く意欲をなくしたら国が亡びる、と。
みわ氏、捕捉率が低いことが問題になってるのだから利用しやすくする方向にもっいくべき、不正受給は十分低い、ゼロにするのにコストをかけるのは不合理、不正受給と言えないようなケース(高校生が知らずにバイトとか)もある。
長友氏。制度の厳格化が受給できる人を減らすのはまずい。そもそも今受給してる人で働ける人は少ない。高齢、病気など。自立できるのはわずか。8万人しかいない。その程度の人達のために金かける政策はどうなのか。
大塚氏、8万人でも働いてる人から見ればそれだけの人が働いてないのはショック。
長友氏、8万人は働いてないわけじゃない。働いても足りないということ。
長友氏、就労意欲のある人は生活保護に入っても1ヶ月、2ヶ月で出てってる。
大塚氏、社会的労働をやってもらうのはどうか、と。

視聴者のお便り、奉仕活動してもらうとかどうか、と。片山氏、奉仕活動やらせようとしてるのに… みわ氏、自治体によっては奉仕活動やっている。
長友氏、生活保護を抜けるのが自立ではない、その人の能力に応じて社会に貢献すれば生活保護を受けてても自立ではないか。
片山氏、小野氏の見守り条例、パブコメかけたら賛成多数だ、捕捉率の問題は、構造失業率が低い日本と欧米を比べるのは間違いだ。
片山氏、捕捉されてないのは不公正と思わないか、とキャスターに振られて、思うとは言わず、もらえるものはもらうという風潮が、マニュアルが出回ってる、と回答。

書道のコーナー? 片山氏「自立促進」
大塚氏「就業支援策とセット」
大塚氏、本当に必要な人にまで辛く当たる風潮が最近あって心配だけど、みたいなことを今更…
長友氏「命の平等」
長友氏、お金のある人は医療を受けられてお金のない人は受けられない、というのはダメだ、と。
みわ氏「コンビニ給付」
みわ氏、自立の努力は殆どの人が尽くしている。その上で必要ならコンビニで買い物するように受けられるべき。『生活保護手帳』『問答集』は全国の図書館に入れて欲しい。

ちなみになんか不穏な発言だなと思われるものは聞き間違いだと悪いのでtsudaってないよ。

お便り。不正受給と外国人の需給が許せない。片山氏も同調。1200億円を外国人にあげている、と。

片山氏、大半は朝鮮半島出身と。我が国の雇用を奪っているトップ企業を擁する韓国には負担して欲しい。
社会権規約は破棄したいってことですかね。。。

お便り。年金払わずに年とったら生活保護もらえばいいんじゃないって友達がいる、って学生さん。長友氏、年金制度への不信が問題、と。

お便り。違法薬物購入とかに使われるので現物支給にしよう、と。みわ氏、現物支給の方が金かかる。違法薬物の不正は本人が依存症だったりするので医療の問題。

俺のお便りは読まれませんでしたーーーーーっ!

おしまい。



おまけ
他の人のツイート

myfavoritescene Jul 30, 8:56pm via ついっぷる/twipple
大塚耕平は与党が生活保護に切り込むのを褒めてたり。。ダメだなあ。。

myfavoritescene Jul 30, 8:44pm via ついっぷる/twipple
#bsフジ で大塚耕平と片山さつきが並んで生活保護と社会保障を dis っていた。角栄が悪い、とか。

yeuxqui Jul 30, 9:46pm via Web
元日銀か。 大塚耕平 - Wikipedia p.tl/1ZAR

田中先生による貧困に関する著述

とりいそぎメモとして。



田中秀臣 ‏@hidetomitanaka
デフレ不況の持続と生活保護受給者の増加との関連は片岡剛士さんの資料、高橋洋一さんの論説を参照のこと。高橋「急にクローズアップされた生活保護問題デフレ脱却と「負の所得税」が合理的な解決策」
http://diamond.jp/articles/-/19320/ 片岡http://p.news.nimg.jp/pdf/a/nw0_20120611_kataoka.pdf

岩田正美『現代の貧困』再読(その1http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20120528#p1

僕の人生と生活保護のリアル>平成大停滞と女性の暮らしの変容
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20111203#p1

野田政権、政府主導の「貧困ビジネス」化の加速=日本型クローニー資本主義
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20110921#p2

なぜ若い人たちは「失われた世代」になってしまうのか?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100819#p1

アリストテレスの需要(クレイア)の経済学
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20100320#p1

三浦梅園、福田徳三、河上肇、そして貨幣価値
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20091212#p2

書評:山野良一『子どもの最貧国・日本』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20081128/178627/

僕がミクロ問題を考えるときのひとつのベース
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090802#p1

ロイック・ヴァカン『貧困という監獄ーグローバル化と刑罰国家の到来』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090227#p3

門倉貴史『貧困ビジネス』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090225#p1

]なんで失業や貧困心配する論者が、労働分配率を気にするのか?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090220#p1

露骨な富裕層優遇よりも政府紙幣が嫌われる理由とは?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090215#p1

イチロー・カワチ他『健康格差と正義』
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090205#p2

雇用・格差のいいかげんないいがかりについて:過去に僕もその三択問題でプッツンしたことありました
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20090202#p1

 アメリカとは違う経済モデルは可能か?
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070801#p1 …  
小宮隆太郎の60年代後半スウェーデン経済論
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070127#p2

ロスジェネの経済学に向けて
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20081101#p2

貧乏物語関連コメント
http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070616#p4

REAL-JAPAN » ハイエクの経済学からアーキテクチャの経済学へ:太子堂正称氏との対談(ミュルダールを超えて第十回)
http://real-japan.org/%e3%83%8f%e3%82%a4%e3%82%a8%e3%82%af%e3%81%ae%e7%b5%8c%e6%b8%88%e5%ad%a6%e3%81%8b%e3%82%89%e3%82%a2%e3%83%bc%e3%82%ad%e3%83%86%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%a3%e3%81%ae%e7%b5%8c%e6%b8%88%e5%ad%a6%e3%81%b8/ … #Zenback @zenbackさんから

REAL-JAPAN » SF、ベーシックインカム、生存権
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REAL-JAPAN » 家庭内暴力と「おカネ」をめぐる話:大野更紗氏との対談(ミュルダールを超えて第八回)
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REAL-JAPAN » 村上春樹と物語の経済学
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REAL-JAPAN » 福祉世界という希望:藤田菜々子氏との対談(ミュルダールを超えて第六回)
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なんかリフレも生存権問題もそうだし、QunQunやUniqlockの子もそうだけど、いったん興味をもったらずっとなが~く熱意を持ち続けるのが僕の特徴かも。前者の社会問題は太く長く、後者は細く長く。




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Author:アリス
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最近ケインジアン。

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