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「財政健全化」VS「反緊縮」

おカネというものが、より多くの人々がより良い生活を送り、
そしてまだ良い生活を送れていない人を何とか助けていくための手段であるならば、
国の財政健全化などというものはまったく目的としてはならないことです。

ところが財政健全化というものへの道徳的こだわりは
多くの人にとってしっくりくるもののようで、
これは決して日本だけの問題ではない。
世界的に財政健全化へのこだわりは強く、
これがたいへんわかりやすく見えるのはギリシャとドイツの軋轢です。
ギリシャにも、過去に国の財務データをごまかすなど悪いところはあったものの、
リスクを承知でギリシャに金を貸した民間人の借金を、EUが肩代わりした挙句
EUがギリシャを厳しく取り立てるというのは、いったい国とは、統一通貨とは何なのか
わけがわかりません。
セキュリティーネットがまったく機能していない。

国が不況時に緊縮して、インフラへの投資を絞り、社会福祉費を削っていくと
そのしわ寄せは金持ちではなく弱者に行きます。

ギリシャの自殺率は急上昇し、希望を失った若者は麻薬に走り、今では図書館の前に
麻薬の注射器が散乱する状態とか。
参考:ギリシャの新ドラッグ「シサ」を追う 1/2 - Sisa: Cocaine of the Poor Part 1

人道的立場で考えるならば、ギリシャの緊縮をいったん停めて、
経済が立ち直るまで、とにかく何とかギリシャに支援を回すことが主張されるべきだと思うのですが
(ちょっと追記すると、ギリシャは統一通貨ユーロなので、自国通貨を国内で発行することができません。そのためEU圏内の他の国がギリシャに支援を回すという話になり、ドイツともめている。日本でたとえると、東京から他の県を支援するような話です。)
意外に世間の人々はギリシャに冷淡です。

まるで、健康のためなら死んでもいいというかのように、道徳のためなら人道を捨てているような雰囲気です。

ところで、こうした傾向について、日本のリベサヨに当てはめて
「日本の左翼の清貧緊縮主義」などと揶揄してしまう人がいて
(はい、わたしです)、日本の左派は何をやってるんだと、
もどかしくなってしまうわけなのですが、
「緊縮」という立場は、ギリシャの状況を見てもわかるとおり、
世界的にも強く人々の道徳観に添ったものであり、
むしろ「緊縮しなくていいんだ」という立場は世界的にも先進的で、
あまりにも時代の先をいっていてなかなか受け入れられない
と考える方が実態に即しているように思います。

この道徳観の蔓延については、apesnotmonkeys氏のこちらのエントリに書かれていることは賛成。

「緊縮」がどれだけ人々の道徳感情にしっくりくるアイデアなのかを理解しなければ、なかなか説得はできないんじゃないですかね。



とはいえ、結局 緊縮ではうまくいかずに反対のことを実際にはやらざるを得なかった
ということが過去、いくつかの国で起こってきたと思います。
(その辺は『経済政策で人は死ぬか?: 公衆衛生学から見た不況対策』に書かれています)

今後反緊縮派にとって必要なことは、思想的学問的には
「われわれはかつてない人類社会の最先端の思想と理論を
開発し構築しつつある」という自負をもった集団であり
一方で目の前の所得格差には、政治的活動と言われることを
厭わない、きちんと政治的闘争をしかけていけるような
集団があって、両者が車の両輪となるような活動
ということではないかと妄想しております。

前者の思想的学問的集団の一つが、ソロス関わるThe Institute of New Economic Thinkingだと思うのですが、日本でも同じような集団が出てきてほしいところです。

あと、こちらの記事もたいへん参考になります。
ドイツ戦後補償問題 ギリシャ Syriza 政権の主張について | Where Angels Fear To Send Trackbacks

少しだけ抜粋しますが興味のある方はぜひ全文お読みください。

もともと、Syriza 政権は、人道的観点から、戦後ドイツに認められたような主権者債務(Sovereign Debt )の見直しのための国際会議開催を求めている。そして、これが認められないのであれば、同様に「人道的見地から」ドイツに対してギリシャが認めた戦時賠償権の放棄も見直されなければいけない、ということを述べているのである。



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